福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館の特別展「戦国大名朝倉氏 武威の煌(きら)めき〜馬駆ける戦国の庭」(福井新聞社後援)が5月26日まで、福井市の同館で開かれている。4日は学芸員による展示解説があり、朝倉氏が権力の象徴だった馬や鷹(たか)を政治力として活用し、家格の上昇を図った歴史をひもといた。

 北陸新幹線県内延伸を記念した3部構成の特別展の第2弾で、39点を展示。解説は宮永一美学芸員が担当し、約30人が耳を傾けた。

 朝倉家の当主館には7頭の馬が入る七間厩(うまや)など二つの馬小屋があったとされる。「厩図屏風(びょうぶ)」(本圀寺(ほんこくじ)蔵)には、馬小屋の前に畳が敷かれ、接待娯楽の場として使われていたことをうかがわせる。名馬を客に見せることは、「その所有者がどういった力を持っているのかがおのずと伝わる」(宮永学芸員)効果があったという。

 鷹狩りは朝鮮半島の百済から敦賀に伝わったとされ、権力者による象徴的な行事だった。鷹自体も権力の象徴で、展示されている鷹図屏風(県立美術館蔵)には雄々しい姿が描かれている。

 会期中無休。展示解説は25日午後3時半からも行われる。また、関連行事として11日に鷹狩りの技の実演がある。18日は朝倉義景が後見人となり行われた足利義昭の「加冠(かかん)」(元服式)を再現する。このほか記念講演なども予定している。展示解説以外は要予約。同博物館ホームページから申し込む。

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