いしかわ動物園(能美市)は15日、コロナ禍で規模を縮小していた飼育員のガイドを再開し、全21の飼育エリアに順次拡大する。ガイドの対象はライオンやコビトカバなどを加えて約30種と以前に比べて倍増させ、中止していた鳥類の展示も一部で復活させる。動物たちの多様な生態を身近に楽しんでもらい、北陸新幹線延伸で能美を訪れる観光客の呼び込みに力を入れる。

 園内では2005年3月から、飼育動物約200種のうち、来園者に人気のあるペンギンやレッサーパンダなど十数種を対象に「動物たちのお食事ガイド」を実施してきた。

 飼育員が餌を与えながら生態などを紹介する人気の取り組みだったが、コロナ禍で20年2月〜23年4月はガイドを中止、感染症法の位置付けが5類に移行した23年5月からはペンギンやレッサーパンダなどに限って実施してきた。

 より多くの動物の特色ある行動を知ってもらおうと、今回は餌やりを伴わない解説も含め、コビトカバやゾウガメ、トラ、キリンなどを新たに加え、全てのエリアをガイドの対象とする。「動物たちのわくわくガイド」と銘打ち、来園者の質問に応じながら生態を説明する形とする。

 また、野鳥の高病原性鳥インフルエンザが国内で確認されたことを受け、23年10月から展示を中止していた鳥類エリア10カ所のうち、安全性が確認された「水鳥たちの池」「オーストラリアの平原」も見て回ることができるようにする。

 「オーストラリアの平原」では15日からエミューの観覧テラス、1週間後をめどにカンガルーの飼育舎内を歩いて見学できるウオークスルーが利用できる。

 嵐登志男園長は「来園者が少しでも楽しい時間を過ごせるよう、ガイドを充実させていきたい」と話した。
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