1日にバス転換されたJR根室線の富良野ー新得間。映画やドラマのロケ地となった思い出の駅を惜しむ声もありますが、この廃止された駅の活用法がいま問題となっています。

「ありがとう〜!!!!」

31日、ラストランを迎えたJR根室線、富良野ー新得間。ドラマ『北の国から』の第1話が撮影された富良野市の布部駅には倉本聰さんも駆けつけました。

2日、廃止されたばかりの駅に行ってみると・・・

鈴木麻友記者)

「列車がもう来なくなった布部駅です。入り口には鍵がかけられ、中に入ることはできなくなっています」。

駅には倉本さんのメッセージが書かれた看板がいまも掲げられていました。しかしこの駅の今後の保存や活用方法についてはまだ白紙の状態。課題は維持管理の費用です。

布部連合会・渡辺良一会長)

「看板もここにあるから値があるので、このままだと風化して根本から折れる可能性もなきにしもあらずだから、どこかに移した方がいいのか。個人的にはここに置いておきたいけど」。

布部地区の町内会連合会が年間で使える金額は20万円。この金額では駅の維持管理をまかなうことはできません。また、200人ほどが住むこの地区のおよそ3分の1は75歳以上で、高齢化が進んでいます。

布部連合会・渡辺良一会長)

「地域住民だけで維持管理というのは、経済的にも人的にも厳しいんでないかな。となったら、どうしたらいいんでしょうか…個人で誰か手を挙げてくれる人がいるのか」。

駅を所有するJR北海道は、譲渡先がない場合解体する方針を示しています。

一方で、駅の活用法が決まった廃駅もあります。映画『鉄道員(ぽっぽや)』で俳優の高倉健さんが駅長を演じるシーンが撮影された南富良野町の幾寅駅。町は観光施設として駅の保存を決め、駅周辺の測量代として240万円ほどを計上しています。

去年3月に廃線となった留萌線の留萌ー石狩沼田間。この区間にあった峠下駅を訪ねてみると。

中川宙大記者)

「峠下駅の駅舎は雪の重みで倒壊しています。今も雪が屋根の上に残っています」。

峠下町町内会・濱林浩会長)

「マニアの人が集まって、結構な人で、最後に手振って別れてけじめつけたつもりなんだけどね。だからって、ここを中心になんとかするという元気は私たち年寄りにはない」。

廃線前から避難所としての活用も検討されましたが、結局話は立ち消えになったといいます。

峠下町町内会・濱林浩会長)

「向かいの山が危険なので、そういうところは避難場所としての経費は出せないと。計画の前の見学はあったが、進んでいかなくなった」。

列車がこない駅を残すのか、壊すのか。自治体や住民はその決断を迫られています。