演劇ジャーナリスト・伊達なつめさんのおすすめ作品をご紹介。今回は、『シアターコモンズ’24』、RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』、ノエ・スーリエ『The Wave』の3本をピックアップ!

演劇の力で都市に新たな共有地を生み出すプロジェクト
『シアターコモンズ’24』

『シアターコモンズ’24』©Jörg Baumann

3年に1度ドイツで開催される「世界演劇祭」で初の「非西洋」出身「非男性」プログラム・ディレクターに選ばれ、手腕を遺憾なく発揮した相馬千秋によるセレクション。人間の欲望や労苦を代替するラブドールや交通誘導人形が主人公の市原佐都子(作・演出)『弱法師』など、超刺激に満ちたラインナップを東京で体験しよう。

アーティスト=アピチャッポン・ウィーラセタクン、Q / 市原佐都子、サオダット・イズマイロボ、ナスタラン・ラザヴィ・ホラーサーニ、イム・ミヌク 他
2月29日(木)〜3月12日(火) 東京都内複数会場
(問)シアターコモンズ実行委員会  TEL:050-5358-8561

坂本龍一が生前最後に手がけたシアターピース
RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』

RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI『TIME』©Yoko Takatani

音楽を手がけた坂本龍一は、田中泯に「人類を踊ってほしい」とリクエストしたとか。人類どころか森羅万象までをも背負えそうな踊り手に託されたのは、100年という時間。ダムタイプの高谷史郎によるモノトーンのビジュアルの中に横たわる死にゆく女と、生と死の間を往還する笙の音。一炊の夢にも似た幻の時空が出現する。

音楽+コンセプト=坂本龍一、ヴィジュアルデザイン+コンセプト=高谷史郎
出演=田中 泯、宮田まゆみ、石原 淋
3月28日(木)〜4月14日(日) 新国立劇場 中劇場 ※京都公演あり
(問)サンライズプロモーション東京 TEL:0570-00-3337

世界から注目を集める振付家による、新たなダンス体験!
ノエ・スーリエ『The Waves』

ノエ・スーリエ『The Waves』©José Caldeira

6人の男女の独白からなるヴァージニア・ウルフの実験的な小説『波』の一節が語られる中、ベルギーの現代音楽アンサンブル・イクトゥスのパーカッションと響き合う6人のパフォーマーたち。世界が注目するフランスの振付家ノエ・スーリエが、リニューアルオープンする彩の国さいたま芸術劇場に登場する。

振付=ノエ・スーリエ
出演=ステファニー・アムラオ、ジュリー・シャルボニエ、アドリアーノ・コレッタ、船矢祐美子、ナンガリンヌ・ゴミス、ナン・ピアソン
3月29日(金)、30日(土) 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール ※京都公演あり
(問)SAFチケットセンター  TEL:0570-064-939