簡単かつすぐに食べられる「パックご飯」。長期保存がきくため、常備している人は多いのではないでしょうか。今回はパックご飯への消費者からの問い合わせをもとに、使用や保存方法について「コープこうべ商品検査センター」の担当者に話を聞きました。

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【担当者】まず紹介する消費者からの問い合わせ事例は、「パックご飯のフタのフィルムの内側についている水滴は大丈夫なのか?」です。

――これまでパックご飯のフタフィルムを注意深く見たことがなかったのですが、これは容器の中のご飯の水分がフィルムに付いているのでしょうか。

【担当者】その通りです。パックの中には調理されたご飯が入っているので、水分を多く含んでいます。また、長期間の保存を可能にするために密封した状態で包装しています。そのため周りの気温との温度差が生じると、容器の内側に結露が発生することがあります。結露が見られても適切に保存がされていれば問題はありませんので、安心してください。ちなみに、このような結露は、パックご飯のほかにも個包装の餅や食パンでも見られることがあります。

――「適切に保存されていれば問題ない」とのことでしたが、どんなことに注意して保存すればよいのですか?

【担当者】適切な保存のためのポイントは3つです。

▼1つ目……直射日光を避けて常温で保存する

――直射日光に長く当たるようなところや電子レンジの上といった熱源の近くにおいていると、どんな影響が出るのでしょうか?

【担当者】直射日光に長く当たったり熱源の近くに置いておくことによってパックご飯が長時間温かくなると、ご飯から水分が多く抜けてしまうことがあります。水分が抜けたところは固くなってしまいますので、注意していただきたいと思います。また、暑かったり寒かったりするなど急激な温度差があるような場所でも同様に水分が抜けてしまいます。

▼2つ目……水平の状態(フタのフィルムが上向きの状態)で保存する

――水平の状態にしておかないと、どんなことが起こるのですか?

【担当者】立てた状態で保存した場合、ご飯から抜けた水分がパック下部に偏ってしまいます。すると、水分が抜けた側はかたくなり、水分が多くなった側は柔らかくなってしまいます。

▼3つ目……フタのフィルムや容器に傷や穴ができないように丁寧に取り扱う

――パックが傷ついたり破損すると、中身にも問題が生じるということですか?

【担当者】フタや容器に傷や穴ができると容器の密封性が損なわれてしまい、すぐにカビが生えてしまうのです。複数個がパッケージされたものを購入した場合は、外袋や外箱をカッターナイフなど鋭利なものは使わない方がベター。不意にフタフィルムや容器を傷つけてしまうことがあるためです。また強い衝撃を受けるとフタがはがれてしまうことがありますので、置く時は「ドンッ」と勢いよくせず、ゆっくり丁寧にしてください。

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 長期間保存ができるパックご飯は、もしもの時の備蓄として重宝します。保存方法や取り扱いには細心の注意をはらいたいものですね。