女子サッカーのWEリーグは2023-24シーズンの終盤戦に突入。2位のINAC神戸レオネッサは、最近1週間の2試合を連勝し、優勝争いに踏みとどまりました。ゴールデンウイーク後半戦のINAC神戸の戦いぶりやホームゲーム企画について、元なでしこジャパンDF川上直子氏が、タレントの宮川陽香とともにパーソナリティーをつとめるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)で振り返りました。

 5月2日の第18節ちふれASエルフェン埼玉戦では3-0と快勝。平日正午キックオフのホームゲームは「神戸子ども応援デー」として開催され、招待された幼稚園児や小学生、中学生など約2100人の市内の子どもたちが観戦。キッズからの大声援を後押しにレオネッサイレブンが奮闘し、FW田中美南選手、MF北川ひかる選手、FW高瀬愛実選手(※「高」=はしごだか)のゴールと勝利もあって、会場が大いにわきました。

「GW中とはいえ、カレンダーは平日。大丈夫かなと思っていたが、スタンドを見て感動! 子どもたちの声援はすごく大きな力になったのかなと思う」と述べたのは、現地で戦況を見つめた川上氏。「『サッカーはいいな!』と思った子もいると思うし、『一生懸命やっている姿っていいんだな、かっこいいんだな』と思ったり、何のスポーツでもいいけど『なんかがんばってみよう!』と思ってもらえるとうれしい」と、観戦をきっかけに子どもたちがサッカーやスポーツに関心を持つことに期待を寄せていました。

 また、川上氏は、「学校行事に(サッカー観戦という)イレギュラーなものを入れるのは大変だと思う。中学生はいいとしても、園児なんて、たぶん先生たちもめちゃくちゃ大変。どこか行くとなると、かなり下見するなかで、よく決断をして来てくれた」と、子どもたちをみる先生や関係者らの尽力にも感謝していました。

 同じく現地観戦・取材した宮川も、「『レーオネッサ!』『たなーかみーな!』など、みんなで言っていて、手拍子もして、今季一番の応援というくらいの熱気だった! めっちゃ感動したし、うるうるしながらスタジアムで見ていた」と、子どもたちの迫力ある声援に心打たれた1人。「熱い(プレーをする)選手たち、熱く応援する子どもたちを見て、私も頑張ろうと思った。大きい声を出して応援するとか、真っすぐな感じは、大人も勉強になったところ」と述べていました。

 一方、GW最終日の6日に行われた第19節、3位アルビレックス新潟レディースとのアウェイ戦では、2-0と勝利したINAC神戸。この試合では、古巣対決となった北川選手が存在感を発揮。引き分けも許されない、一戦必勝が求められるなかで、なでしこジャパンでも期待の高い164センチのレフティが、利き足でない右足と、頭で、チームの全2得点をたたき出し、勝利に貢献しました。

「恩返し弾という言葉は好きじゃない……」と、思わず選手やサポーター心理を代弁した川上氏ですが、「アルビで育った感謝と、外で成長したいという思い、いろんな気持ちがあるなか、成長した姿をファン・サポーターの方に見てもらうというのは、最高ですよね」と、北川選手の活躍を称賛。

 1点目、田中選手のシュートのこぼれ球に反応したところについて、「いいところに入っていくだけの力を持っている。調子のよさがすごくわかる」と解説。また、2点目の2試合連続となったヘディング弾について「そんなヘディング得意なんだ、そんな飛び込んでいけるんだと、驚きをもって見ている」と、INACで輝きを増す背番号13の勇気を持ったプレーについても触れていました。

 さらに、「最近サッカーの子たちとしゃべっていると、だれが五輪メンバー選考に入るのかなという話しになるが、私は北川選手が入ると、勝手に推してます!」と、元なでしこサイドバックとして、期待を寄せていました。

 次節では、12日(日)に8位ジェフユナイテッド千葉レディースとアウェイで対戦するINAC神戸。ここで勝って、この週にリーグ戦が組まれていない首位・三菱重工浦和レッズレディースとの勝点差を4に縮め、18日(土)のホームでの直接対決に臨みたいところ。皇后杯決勝のように土壇場で奇跡を起こせるか。INAC神戸はリーグタイトル奪還に向けて、いよいよ勝負のラスト3試合に入ります。