フェラーリのシャルル・ルクレールは、今季開幕3戦で2度リタイアするなどキャリア最悪のシーズン序盤を過ごしているが、そうした”惨事”と比べればチーム状況の問題はそれほど懸念することではないと考えている。

 フェラーリはレッドブルにパフォーマンス面で大きな差をつけられているだけでなく、車両コンセプト責任者のデビッド・サンチェスがマクラーレンへ、スポーティングディレクターのローレン・メキーズがアルファタウリへと相次いで移籍することが発表された。

 チーム代表のフレデリック・バスールは、この移籍に伴う人事異動に頭を悩ませることになるだろう。しかし、ルクレールは「自分の頭の中で警鐘が鳴っているわけではない」と話した。

 コース内の苦戦とコース外の状況を心配しているかと聞かれたルクレールは、motorsport.comに次のように答えた。

「正直に言って、コース上のことについて話をすれば、シーズンの前半はパフォーマンスが思うようなものではなかった。最初の3レースは、僕にとって最悪だった」

「でも、この3週間はリセットして、自分たちが持っているパッケージを最適化するために、少しばかり見直すことができたと思う」

「それからコース外では、もちろんチームの再構築があった。ローレンとは本当にいい関係だった。しかし、彼にとっては本当に良い機会なのだから、この機会を逃すわけにはいかないとチーム全員が理解している」

「でも、ひとりの人間の上にチームがあるんだ。そして今後に向けてフレッド(バスール)が考えていることもあって、とても自信があるんだ」

 またルクレールは、バスールが計画していることに全幅の信頼を寄せており、新チーム代表の将来のビジョンについて安心感を得ていると語った。

「彼は自分が何を達成したいのか、そしてそれを達成するための方法を率直に語ってくれたんだ」

「そのおかげで、僕はこれまで以上に自信を持つことができた。言うまでもなく状況は大きく動いているけれど、僕は将来に向けて自信を持っているんだ」

 なお、フェラーリでの苦境が続いていることから、ルクレールはメルセデスに移籍するのではないかと噂されているようだ。

 しかしルクレールは、この噂を否定。フェラーリに全幅の信頼を寄せていると語った。

「いや、まだだ。今のところはね。今は自分がやっているプロジェクト、つまりフェラーリに完全に集中しているんだ。さっきも言ったように、僕は完全に信頼しているし、未来に自信をもっている。どうなるか見てみよう」

 そしてルクレールは、今直面しているすべての障害を乗り越え、リカバリーする力がフェラーリにはあると確信しているという。

「この先のステップを考えると、それ(障害)は本当に大きい」

「それに関して僕たちは完全に認識しているし、それを最初に認識したのは僕だ」

「でもリカバリーできるチームをひとつ選ぶとしたら、それはフェラーリだ。チーム内部で何が起こっているのか、何を達成しようとしているのか、僕は知っているし、それに自信を持っている」