F1とMotoGPを傘下に入れるリバティ・メディア。独占禁止法の規制回避にも自信アリ「このふたつは別々の資産」
この買収は当初、MotoGPの2024年シーズン開幕前に完了する予定だったが、独占禁止法(反トラスト法)の執行を担う取引委員会(特にEU)の承認を得ることができず、手続きが遅れていた。
実際、かつてCVCキャピタルが2006年にF1を買収した際、MotoGPの売却を余儀なくされている。そのため、リバティ・メディアが同様の道を辿るのを避けるためにどのような計画を立てているのかという疑問につながっている。
投資家向けの電話会見で、リバティ・メディアのグレッグ・マフェイCEOは、この買収が規制当局の承認を得られると確信しており、ふたつの事業体への介入は行なわれていないと述べた。
「我々は、規制当局(のプロセス)を通過できると確信している。なぜなら、スポーツとエンターテインメントの市場は広範に存在し、F1とMotoGPはそのごく一部に過ぎない。そして市場は、以前大規模な見直しが行なわれたときから変化し続けているからだ」
「我々は、これらをひとまとめにして扱ったり、市場で一緒にしようとしたりするつもりはない」
「このふたつは別々の資産だ。我々はこのふたつを活用するのではなく、パターン認識やF1から得た学びを使って、MotoGPを露出させる機会を作れると考えている」
「だから、規制の面では非常に自信を持っている」
リバティ・メディアの最高法務責任者であるレニー・ウィルムは、「EUに申請する予定だ。またイギリス、ブラジル、オーストラリアにも独占禁止法のクリアランスを申請する予定だ」と語った。
「またスペインとイタリアにはFDI(外国直接投資)の申請を行なう予定だ。独占禁止法のクリアランスは年内に完了するはずだ」
マフェイCEOは、CVCについては2006年にF1買収の期限を迎えていたため、規制プロセスを経る時間がなかったことを指摘。MotoGP買収がクリアされることへの自信を深めている。
「もう1つ付け加えるとすれば、CVCの経営陣と話したことを覚えているが、彼らはF1買収のためにタイトな締め切りに追われていた」
「そのため、規制当局の手続きを行なっている時間はなかった」
「そして彼らはPE(プライベート・エクイティ/未公開株を扱う投資ファンド)会社だった。あるプロダクトで大きな利益を得て、もう一方のプロダクトを買おうとしていた。我々はまったく違う立場にいる」
「我々はグループとして、変化する市場に向かって、絶対に一致団結している」
「同じような時間的プレッシャーにはさらされていない。規制プロセスは迅速かつスムーズに進むと信じているが、必要なだけの時間はかかるだろう」