アメリカ・オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のボビー・エプスタイン会長は、同地でF1とMotoGPの同時開催を行なうことは“可能”とする一方で「可能性は低い」と考えている。

 4月上旬、F1を所有するアメリカのエンターテイメント企業リバティメディアがMotoGPやスーパーバイク世界選手権、MotoEといった二輪レースのプロモーターであるドルナスポーツの株式86%を42億ユーロ(約6911億円)で取得。これにより四輪と二輪の最高峰シリーズふたつを傘下に収めることとなった。

 ドルナのスポーティングディレクターであるカルロス・エスペレータによると、F1とMotoGPが同じ週末に同じサーキットで開催されるというアイデアは「破棄されたわけではない」が、積極的に取り組まれているモノでもないという。

 COTAでは現在F1アメリカGPとMotoGPアメリカズGPを開催しており、エプスタイン会長は両シリーズのダブルヘッダー開催が可能だと考えている。ただ、実現にはいくつかの障壁を乗り越える必要があるという。

「明らかなこと以上に、複雑な問題があると思う」

 エプスタイン会長はmotorsport.comを含む特定のメディアに対してそう語った。

「まず思いつくのは物理的な問題だが、スポンサー活動という観点から見ると、両シリーズとも異なるスポンサー、異なる活動、異なるメーカーがいるため、それらが競合することになる」



「コース看板の入れ替えも大変だ。メディアセンターも少し大きくなるだろう。可能だが、可能性があるかどうかは分からない」

 ただ北米でのMotoGPファン層の拡大に苦戦していることから、エプスタイン会長はリバティの買収を歓迎。COTAが“最大の恩恵を受ける”サーキットのひとつになると語った。

「我々はおそらく誰よりもワクワクしている」とエプスタイン会長は説明した。

「MotoGPがアメリカに来たが、あまり注目されていない。一度彼らが去ってしまうと(アメリカズGPが終了すると)1年はその話題が聞こえてこない」

「我々がアメリカで唯一のMotoGPの旗本となり、12年間コミットし続け、本当に信じているこのシリーズをサポートすることは素晴らしいことだ」

「このスポーツは素晴らしい競技だし、より多くの人々がその魅力に気づくのを待っている。そして我々が買収の最大の受益者のひとつになることを願っている」

「スポーツを変える必要はまったくないと思う。ただ、もう少し光を当て、可視化することに集中しなければならない。彼らにはチャンネルも能力もある」