六本木ヒルズアリーナで4月2日と3日の2日間にわたって行なわれている『F1 Tokyo Festival』。その初日のステージに、今季からハースF1のチーム代表を務めている小松礼雄が登場。直後に迫ったF1日本GPに向けた意気込みを語った。

 昨年はコンストラクターズランキング最下位に終わったハースは、成績不振から長くチームを率いてきたギュンター・シュタイナーが離脱。その後任として、小松が指揮を取ることになった。

 その新生ハースは、第2戦サウジアラビアGPでは、ペナルティが積み重なったケビン・マグヌッセンを犠牲にしてニコ・ヒュルケンベルグの入賞をサポート。第3戦でも頭脳的な戦いぶりを見せ、2台揃っての入賞を果たした。

「チームが一丸となって戦えているのが嬉しいですね」

 小松代表は、F1 Tokyo Festivalのトークショーでそう語った。

「僕が代表になった時には、もう今年のクルマは出来上がっていました。だから、そのクルマをどう使うかということしかできなかったので、それを叩き込みました。それで、レースペースを良くしようということになりました」

「レースチームとしては、良くなってきていると思います。ここまでは出来過ぎくらいですね。まだまだ、やることはたくさんありますけどね」

 今週末に控える日本GPについて小松代表は、「ウチのクルマは、高速コーナーが苦手なんです。だから、セクター1は苦労するかもしれない」と予想するものの、チーム内の雰囲気はよく、楽しめて戦えていると語る。

「マジックなんてありませんから、小さなことの積み重ねです」

 そう小松代表は言う。

「でも、ガレージ内の雰囲気は良いです。楽しくやらなきゃ、結果なんて出ませんからね」

「そして、小さいチームですから、効率よくやっていきたいと思います。そうすれば、オーナーももっと投資してくれるかもしれませんから」

「毎日、毎回、違うんですよ。長くF1をやっていますが、同じだったことなんてないです。常にチャレンジがありますから、つまらないと思ったことはないです」

「全力でやれれば、たとえ今年でクビになっても、僕としては失敗じゃないと思います。機会があれば、どんどんチャレンジしていきたいですね。やっぱり、人生って一度きりですから」

 前述の通り、ハースはここまで2戦連続で入賞しているものの、鈴鹿での苦戦は覚悟している。しかし楽しんで、やることを確実にやる……そんなハースは、またしても苦境を乗り越え、入賞争いに加わってきそうな予感だ。