4月1日にMotoGPを運営するドルナ・スポーツの買収を発表したリバティ・メディア。彼らはF1も傘下に収めているが、F1とMotoGPの2つのシリーズを「抱き合わせ販売」することは考えてはいないと語る。

 アメリカのメディア大手リバティ・メディアはMotoGPとそれを運営するドルナ・スポーツを42億ユーロ(約6860億円)で買収すると発表し、今後は規制当局の審査を経て2024年末までに手続きが完了する見込みとなっている。

 四輪と二輪、それぞれのレースシリーズの最高峰とされる2つを手中に収めることになったリバティ・メディアだが、彼らは規制上の理由とメディア環境への理解から、F1とMotoGPの抱き合わせ販売を行なうことは考えていないという。

 リバティ・メディアのグレッグ・マフェイCEOは投資家向けの電話会議で次のように語った。

「我々が行なわないことのひとつが、MotoGPとF1を一緒に交渉することだ。それは規制上の理由に加え、F1のパートナーやチームとの契約の構造上、不可能なものだ」

「リバティはメディアの状況がどのように進化しているか、どうすればイタリアやスペイン、フランスといった伝統的な拠点以外のメディアパートナーに対して魅力的な製品を提供できるのか、またそういった他のマーケットでの成長を手助けできるのかについて、本質を見抜く力を持っていると私は考えている」

 なおマフェイCEOは、この買収が規制当局の承認を得られると確信しているとも語っている。

 彼はMotoGPのファンベースを拡大するためにどんなプランを用意しているかについては言及しなかった。しかし、2016年にF1を買収して以来、リバティがF1をより多くのファンに“開放”する上で様々な成功を収めてきたことを強調した。

「ファンベースの拡大については、色々と指摘できる」

「我々は言うまでもなくNetflix(で配信しているF1のドキュメンタリー)で成功を収めたが、ソーシャルメディアであったり、Twitchでドライバーをレースファンと引き合わせることであったり、ファンゾーンであったり、このスポーツへの視点を変えることであったり、多くの方法でF1をオープンにすることに成功している」

「これ(MotoGP)も素晴らしいスポーツであり、情熱的なファン層がどれほど素晴らしいものなのかを理解している」

「だが我々の目標は、F1で行なってきたような形で、より広い世界にそれを広げることなんだ」