FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は、昨年のふたつのF1グランプリを妨害した疑いで調査を受けていたが、その疑惑が晴れたことを受け、一部のFIA加盟クラブやスポーツ連盟が彼を強く支持する書簡を発表した。

 これは短期的に、ベン・スレイエム会長に対するFIAの内部的な動きを抑制するためのものであることは明らかだ。アメリカ大陸のFIA加盟クラブとスポーツ連盟の代表30人以上が署名した書簡は、ベン・スレイエム会長を力強く支持していることを示している。

 また、昨年のサウジアラビアGPでスチュワードのペナルティに関する決定に介入し、ラスベガスGPのコース承認を妨害したという内部告発を受けたことで、ベン・スレイエム会長が調査されたことに対して不満を持っているという明確なメッセージでもある。

 彼らはFIAコンプライアンス・オフィサーと倫理委員会が11人の証人との面談を含む30日間の調査を行なった結果、ベン・スレイエム会長を潔白としたFIAの調査結果を全面的に支持している。

 FIAのウェブサイトに掲載された書簡の中で各クラブは、『理由もなくFIAとその指導者を中傷する者に対し、FIAが法的措置を開始することを勧告する』と述べている。

 これはベン・スレイエム会長を取り巻く状況についての様々な報道が、FIAを傷つけようとする意図的なものであるとクラブ側が感じたことを受けたものだ。

「印刷メディアやデジタルメディアの一部のメンバーによって流布された、不適切かつ非倫理的な行為に関する非難は、FIAとその指導者、特に会長に害を及ぼすことのみを目的としていた」

「倫理委員会の決議は、FIA会長であるモハメド・ベン・スレイエム氏が高潔で透明性があり、独立した行動をとったことを承認するものである」

「FIA会長の選出についてはFIA憲章に明記されており、投票権を持つメンバーだけの権限である。私利私欲のために介入しようとする組織外の人々によって影響を受けることはない」

「我々は、モハメド・ベン・スレイエム氏がFIAを管理し、会員により良いサービスを提供するために倫理的かつ透明性のある方法でFIAを変革するという公約を果たすべく前進していることを支持し、その信任投票を行なう」と付け加えた。

 この書簡には、コロンビア、カナダ、エクアドル、コスタリカ、ペルー、パナマ、グアテマラ、ウルグアイ、メキシコ、ベネズエラ、ブラジル、ニカラグア、プエルトリコ、キューバ、ドミニカ共和国、チリ、ベリーズ、パラグアイ、ホンジュラス、アルゼンチン、チリ、エルサルバドル、ボリビア、ケイマン諸島、バハマ、ハイチ、ジャマイカ、ガイアナ、トリニダード・トバゴ、アンティグアを含む、アメリカ大陸の34の加盟クラブとスポーツ連盟が署名している。

 このリストには、元F1最高責任者バーニー・エクレストンの妻でもあるファビアナ・エクレストン南米スポーツ担当副会長の署名も含まれている。

 彼女は将来のFIA会長候補に浮上しており、ベン・スレイエムが2期目の会長を務めるかどうかにもよるが、早ければ2025年にも次期選挙が行なわれる可能性もある。