2023年にアルファロメオとの提携を終了し、2026年からはアウディのワークスチームとなるザウバー。そんな彼らが来季に向けてどのドライバーを起用するのかについてはかねてより注目が集まっている。先日はニコ・ヒュルケンベルグとの契約が発表されたが、もうひとりのドライバーは未定となっている。

 その中でザウバーのドライバー候補と目されているのが、フェラーリのカルロス・サインツJr.だ。サインツJr.は来季からルイス・ハミルトンが移籍してくることに伴い、今季限りでフェラーリを離脱することが確定している。さらに彼の父であるカルロス・サインツSr.はアウディで今年のダカールラリーを制しており、アウディとの繋がりもないわけではない。

 2025年に向けたドライバーの候補者リストについて、motorsport.comがザウバーのチーム代表であるアレッサンドロ・アルンニ・ブラビに尋ねると、彼はこう答えた。

「知っての通り、今ドライバー市場に出ている中でトップのドライバーはカルロス・サインツだ。誰だってカルロスが加入することを望むだろう」

「彼は最高のドライバーのひとりだ。彼は成熟していて、開発にも適しているが、それと同時に非常に安定感もあり、予選でも決勝でも強い。フェラーリのドライバーは最高のペアのひとつと言える」

「しかしその一方で、ドライバー市場は我々の状況だけでどうにかなることではないのも分かっている。色んな要因が絡んでくる。多くのチームが様々なドライバーと話をしている。我々のチームにもいくつかの選択肢があると思っている」

「我々はそこを吟味していくところだが、今はニコの加入を発表したところであり、その決断を急ぐ必要はない。まだ始まったばかりなのだ」

 またそれに続けて、ドライバーとの交渉はどのような段階まで進んでいるのか、そして現在所属するバルテリ・ボッタスや周冠宇が残留する可能性もあるのかと尋ねると、アルンニ・ブラビ代表は何も決まったことはないと述べた。

「我々は(サインツJr.の)他にもドライバーと話をしている。それは今のドライバーも含めてだ」とアルンニ・ブラビ代表は言う。

「我々はふたつのシートの内ひとつを確保したので急いでいないのだ。時間はあるし、この決断は簡単ではないからね」

「というのも、我々には過去3年間所属してきた優秀なドライバーがいて、良い成績を残している」

「カルロスだったり、その他にも色々なドライバーがいるが、我々は2025年に限らず、アウディのワークスチームとなる将来を見据えた決断を下すということも理解しないといけない」

「つまり、契約の期間や、どんな組み合わせになるなど……この(2025年の)ドライバーラインアップは重要だ。現在のドライバーから、プロジェクト全体にフィットする者を見つけるところまで、あらゆる選択肢がテーブルの上にある」

 なおサインツJr.にとってはアウディ加入の他にも、かつて自身がマックス・フェルスタッペンとの昇格争いに敗れたレッドブルに移籍するという選択肢もある。しかしながらレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは先月、サインツJr.にはアウディから非常に高額なオファーが来ており、「我々はマッチ(同額を提示)したり上回ることができない」とコメントしている。