「看板女優になる」宣言の過去

 人気女優となって引く手数多と思われる吉岡なら、独立し個人事務所を設立しても十分やっていけるはずだと思うが……。

「彼女は俳優養成所にいたころ、そのままでは埋もれてしまうと思い、事務所入りを目指して養成所から系列の『A-Team』のマネージャーを紹介してもらい、さらに“ここの看板女優になるから、お願いだから私を今すぐここの事務所に入れて下さい”“めちゃくちゃ働くから、仕事をください”と社長に直談判したのは有名な話です。こういうタイプは事務所としてもありがたいタレントです。事務所の意向に沿った仕事を嫌な顔せずに受けてくれますから。逆に、個人でやっていくことにはまだ自信が持てないのでしょう。事務所に所属しているメリットはいろいろありますが、まず、当たり前ですが仕事を取ってきてくれること。そして“守ってくれる”ということ。マスコミ対応、プロモーションなどの煩わしい業務はマネージャーや会社に任せておけばいいということがありますから、自分は仕事に集中できます」(同・老舗芸能プロ幹部)

 新しく所属する『フラーム』は、山口紗弥加や戸田恵梨香、吉瀬美智子、有村架純など人気俳優が所属しているが、業界ではどちらかといえば中堅。しかも最近、看板俳優だった広末涼子が独立したばかり。

「大手の事務所は、タレントが売れてきて仕事がどんどん入ってくるようになれば特に売り込みなどの営業はしなくなるものです。中堅の事務所でも超売れっ子の看板俳優がいれば何とかやっていけますが、それでも途切れなく仕事をしてもらわなければなりません。看板俳優が多ければ多いほどいいのは言うまでもないです。次の看板になる俳優を育てるためにも、自然と営業に力が入ります。タレントにしてみても大手に比べて、手厚いサポートを受けることができます」(同・老舗芸能プロ幹部)

 事務所が芸能活動を休止するという予想外の出来事に遭遇してしまった吉岡だったが、“人間万事塞翁が馬”、新事務所移籍は間違いなく吉と出るだろう。