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 日曜日に行われたバレンシアCF戦において、レアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオールは繰り返し人種差別的な行為を浴びており、試合後カルロ・アンチェロッティ監督は「スタジアム全体が選手を人種差別的に侮辱する光景を初めて目の当たりにした」と驚きの声をあげるほど、22歳のブラジル人ウィンガーに対してバレンシアの一部のファンたちからは罵声などが行われていた。さらにロスタイムでの騒動の中で、ヴィニシウスが相手選手の首を絞めるような行為が見られたとして退場処分も受ける結果となっている。

 そんな中で2日後の火曜夜にスペインサッカー連盟では、合計9ページにも及ぶ声明と共に今回の処分について発表。すでに侮辱行為を行ったファンを障害出禁とすることを明かしているバレンシアに、ホーム戦5試合での部分的無観客処分に加え、さらに4万5000ユーロの罰金命令。加えてヴィニシウスに対する退場処分を無効とすることを明らかにしている。バレンシアのルベン・バラハ監督は、「バレンシアの監督としても、また一人の人間としても、この日の出来事を非難する」とコメント。

バラハ監督「クラブに対する対応は行き過ぎ」

 ただし指揮官は前述の通りにバレンシアが「即座に行動をとった」ことや、文書化された規約に則って事態への対応を行なっていったことなど、クラブ自体に対する擁護についても強調しつつ、その上で今回連盟からバレンシアに対して下された処分は「不相応のようにも思える」と指摘。なお処分に対する異議申し立ては、10営業日以外で行うことが可能だ。

 さらにバラハ監督は無論このような人種差別的行為を強く非難した上で、ただこの件でクラブ、そしてファンが「いわれのない言葉で汚されることは決して許されない。選手がこのような侮辱行為に戦うことは当然で、それを私たちとしても全力を尽くしてサポートしている。だからこの数日間であがった本来とは異なる偏見とも我々は戦っていくことになるよ」と言葉を続けた。