ホンダ「シビック」といえば、ホンダの四輪車ラインナップの中で最も長い歴史を持つシリーズです。現在販売している現行シビックは一体どのような特徴を持つモデルなのでしょうか。

シビックの人気が根強い理由は「MT」!?

 ホンダ「シビック」といえば、初代モデルが1972年に誕生した、ホンダの四輪車ラインナップの中で最も長い歴史を持つシリーズです。
 
 その車名は英語で「市民の」という意味を持ち、その名の通り「多くのユーザーの役に立ち、愛される車種」となる要素を徹底的に追求。
 
 初代モデルの国内販売台数が69万台にも上り一躍大衆車の仲間入りを果たしたシビックは、今では170を超える国と地域で販売され、2022年に歴代累計販売台数が2700万台以上を達成。世界的な人気車種に成長しました。

 そんなシビックですが、今ではホンダの国内ラインナップに「N-BOX」や「フィット」「フリード」などの使い勝手の良い軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなどが存在することもあって、かつてほどは街で見る機会も減りつつあります。

 現在販売している現行モデルのシビックは一体どのような特徴を持つモデルなのでしょうか。

 現行シビックは、2021年9月にフルモデルチェンジした11代目モデル。これまではハッチバックとともにセダンのボディタイプをラインナップしていましたが、今モデルからハッチバックに一本化されたため、車名を先代の「シビックハッチバック」からシビックへと変更しています。

 現行シビックは「爽快シビック」をキャッチフレーズとし、乗る人すべてがクルマとの一体感と感じられる爽快な走りと、水平基調かつ低重心の流れるようなスタイリッシュなプロポーションを実現。

 また、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」に渋滞運転支援機能を追加するなど、安心かつ快適に移動できるクルマとしての性能も高めています。

 パワーユニットは、1.5リッターガソリンターボエンジンに加え、2022年7月に2リッターエンジンとハイブリッドシステムを組み合わせた「e:HEV」を設定。

 ターボエンジンのトランスミッションにはCVTとともに6速MTを用意し、ホンダ独自のVTECエンジンと磨き上げた俊敏なレスポンスにより、質の高く軽快な走行性能と高い操縦安定性を両立しました。

 そんな現行シビックは、ガソリンターボの購入者の3割以上がMT車を選択しているのも大きな特徴です。

 2021年のホンダの発表では、新型シビックを購入したユーザーの年代でもっとも多いのが20代(23.9%)、次いで50代(22.2%)と、幅広い層から支持されていることが分かります。

 新型シビックの魅力のひとつとなっている6速MTは、高剛性化とショートストローク化によってスポーティかつダイレクト感のあるシフトフィールが味わえるといいます。

 現在の日本国内では新車で購入できるMT車は少なく、ホンダのラインナップを見ても軽自動車の「N-ONE」と軽商用車の「N-VAN」、乗用車としては現行シビックと高性能スポーツ仕様の「シビック タイプR」のみ。手ごろなサイズ感や価格のシビックは、とくに指名買いされるほど支持される理由のひとつとなっているようです。

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 現在、慢性的な半導体不足により生産見通しが立てづらい状況となっていることから、ホンダはシビックの注文受付を一時停止していると公式サイトで告知。注文の再開については、今後の生産状況などを踏まえて改めて案内するとのことです。

 なお、シビックの工場出荷の目処は、ハイブリッド、ガソリンターボともに1年程度となっており(2023年5月8日時点)、注文したユーザーの手元に届くまではもうしばらく時間がかかりそうです。