銀行業界でつくる全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は10日、銀行間の決済を担う全銀システムで障害が起きたと発表した。午前8時半ごろから三菱UFJ銀行などシステムを利用する11の金融機関で他行との間の振り込みができなくなり、少なくとも140万件の取引に影響が出た。うち約100万件についてはバックアップ手段を使って同日中に処理するが、全面復旧は11日以降になる見通し。

 全国銀行協会によると、銀行利用者に影響が出る障害は1973年の稼働以来初めて。3連休中に実施したシステムの機器の更改後に障害を検知したといい、原因の調査と復旧作業に追われた。法人間の取引や個人への給与振り込みが滞ったりするといった影響が発生したとみられる。

 影響を受けた金融機関は、三菱UFJ銀のほか、りそな銀、埼玉りそな銀、関西みらい銀、山口銀、北九州銀、三菱UFJ信託銀、日本カストディ銀、JPモルガン・チェース銀、もみじ銀と商工組合中央金庫。窓口やATM、インターネットバンキングのいずれでも振り込みができなくなった。