日米両政府は、英国やオーストラリア、フィリピンとの安全保障協力を拡大する方針を固めた。4月に米ワシントンで開かれる岸田文雄首相とバイデン米大統領の首脳会談で合意し、成果文書に盛り込む見通し。英豪比はいずれも米国の同盟国で、日本も同志国と位置付ける。インド太平洋地域での共同訓練を増やし、防衛技術分野でも連携を進める。覇権主義的な動きを活発化させる中国を念頭に抑止力を高める狙いがある。政府関係者が30日明らかにした。

 日米両政府は、軍事力を増強する中国と対峙するには自衛隊、米軍と同盟・同志国軍との一層の連携強化が不可欠と判断した。ただ、軍事面での連携が急速に進めば、中国を刺激して地域の分断や不安定化を招く恐れがある。

 英国は近年、中国の軍備拡張を踏まえインド太平洋への関与を強化している。2025年には英空母打撃群のインド太平洋地域への派遣を計画。日米英3カ国は派遣に合わせ、日本近海で合同演習を行う方向で調整する。