遺伝に関する正しい理解を深めるため、厚生労働省の研究班が小中高校生向けに2016年度に作成した教材が周知されず、活用されていないことが20日、分かった。作成当時「子どもには時期尚早」といった考えもあったというが、技術は急速に進歩しており、作成に関わった研究者は「遺伝に関わるリテラシーの向上は急務。使ってほしい」と話している。

 研究班は16年度に活動。取り組みの一つとして教材を作った。小学生、中学生、高校生向けでそれぞれ4ページ。両親から遺伝情報を受け継ぐ仕組みや、「DNA」「染色体」といった言葉の意味、ゲノムを調べると分かることなどを解説している。多様な外見や体質に遺伝が関わっている点を強調した。

 複数の関係者によると当時、文部科学省専門委員会の委員長に教育現場での活用を打診したが「子どもたちに遺伝の啓発をする土台が整っていない。時期尚早だ」と難色を示された。その後、研究班の活動が終了し、教育現場には配布されず、学会のホームページなどでも周知されていない。