「一日の食事のなかで、一番大切なのは朝食だ」という説については、議論の余地があります。ただし、「朝の大切さ」については議論の余地はありません

『Uptime: A Practical Guide to Personal Productivity and Well-being(アップタイム:個人の生産性とウェルビーイングを向上させる実用ガイド:未邦訳)』の著者Laura Mae Martin氏によれば、一日の最初の数時間には、ほかの時間帯よりも多くの注意を向ける価値と必要があるそうです。

朝にこそ、毎日を管理する要があります」とMartin氏は述べます。

私たちは朝について、当然のように、生産的なことに費やす時間として考えます。

目覚ましを6時にセットして起床し、ゲームをしたり、テレビ番組を一気見したりするなどという話はあまり聞きません。

ということで、朝の1時間には、夜の1時間よりもずっと大きな価値があるわけですから、朝をうまく使って、一日の残りの時間を組み立てることをおすすめします。

Googleで、生産性に関するエグゼクティブアドバイザーも務めるMartin氏がすすめる「理想的な一日のはじめ方」とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

1. 前の晩から準備をはじめる

生産的な朝は、前日の夜からはじまります。Martin氏は、これをミーティングにたとえています。

ミーティングがはじまってから、「さて、どんなミーティングにしようかな?」などと考える人はいません。そこで考えているようでは、すでに実りあるミーティングにする大きなチャンスは失われています。

同じことは、一日のスタートにも言えます。毎日の終わりに、次の一日の計画を立てるようMartin氏はすすめています。

明日は何を、いつ、しようか?と自問して、1時間ごとの約束を自分自身と結びます」とMartin氏は言います。

多くの生産性が朝に失われてしまうのは、タスクを完了させるための時間枠が、カレンダー上で設定されていないからです。

「午前10時にこのプロジェクトに取りかかる」と自らに告げていれば、メンタルブロック(意識の障壁)はすでに取り除かれているはずです。午前10時が近づいてきても、何をすべきか決めるのに困るという、決断疲れのおそれはありません

2. 明日の自分のために、やるべきことを終わらせる

加えてMartin氏は、「できているとうれしくなること」も前夜に実践しています。

未来の自分のために何かを済ませておくと、それによって得られる満足感は、現在の自分より、未来の自分のほうが大きくなります。

夜の8時になったら、こう考えてください。「朝の私のために何ができる? 自分のために何をやっておくと、翌朝の私は喜ぶ?」と。

たとえば、キッチンを片づける、コーヒーメーカーのタイマーをセットする、お弁当を用意する、着る服をそろえておく、といったことです。

翌朝、「わあ、ちゃんと準備ができてる!」と思わず言ってしまうようなことがあると、すぐに気分が良くなって、一日のいいスタートが切れます

3. 「バッファ」を設ける

目覚めたら、最初の仕事に取りかかる前に時間を設けておいて、ゆったりとした気分で一日をはじめられるようにしましょう

Martin氏のおすすめは、毎朝、自分に30分以上の時間を与えること

Martin氏は、家族の誰よりも早起きすることを日課にしており、この朝の時間を、自分の名前をとって「ローラの30」と呼んでいるそうです。

この時間帯は、自分らしく、好きなようにしていいことにしています。ただし、時間は一貫して変わりません

朝起きて、静かにコーヒーを飲む以外、何もしないときもあります。すごくいい本を読むときもあります。とてもエネルギーがある日は、運動もします。たいていは、瞑想したり、日記を書いたりしていますね。

朝にこうした時間を一貫して設けるのは、好きなことをして、頭が冴えわたった状態をつくるため。こうすることで、一日の残りの時間に意識を向けられるようになるそうです。

4. スマホに触れない

このアドバイスは耳が痛いものでしょうし、ましてや実践するのは無理かもしれませんが、起きてから最初の30分間はスマホに触れないことをMartin氏はすすめています。

「朝6時に目覚めてすぐさま、仕事をベッドにもちこむようなものです」とMartin氏は言います。

メールのためではなく、自分自身のために目を覚ましましょう

起きてすぐに、「しなければならないこと」と「したいこと」を脳が比較検討するモードになっていると、自らを振り返ったり、充電したりするチャンスが失われてしまいます。朝イチにすることがメールの返信なら、なおさらです。

実際、いい朝をお膳立てするためにすべきことの1つは、スマホを手の届きにくい場所に置いておくことだそうです。

「スマホなどのデバイスは、私たちの生活で重要な役割を果たしていますが、朝には過剰な存在です」と、Martin氏は言っています。

仕事は、義理の親のようにとらえるべきです。義理の親なら、家に招くことはあっても、朝6時に自分の寝室に招き入れることはないですよね。

スマホをそうした客のように扱って、境界線を引きましょう。

5. 音楽と照明を活用する

一日をゆったりとスタートするためにMartin氏がすすめるのは、気分をあげてくれる音楽を聴くことです。

「高揚した気分で一日をはじめるほうが、つい思考にのめり込んでしまった状態ではじめるより、もっとよい一日になるでしょう」とMartin氏は言っています。

照明にも注意を払いましょう。目覚めてすぐは照明を薄暗くし、明るさをゆっくりと上げて、カーテンを開けるよう、Martin氏はすすめています。

私の場合は、覚醒していくにつれ、脳が『もっと明るくして』と伝えてきます。

そのタイミングで、天井の明かりをつけます。こうすると、脳が自然なかたちでゆっくりと一日に入っていけるのです。

朝のルーティンを確立するためのステップを踏むことで、目的を持って一日をはじめられるようになります。

その日がどんな一日になろうとも、しっかり充電していますから、きっとうまく乗り切ることができるはずです。

ティム・クック、朝4時の習慣。最も生産的な朝のはじめ方とは | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2404according-to-tim-cook-this-is-first-thing-you-should-do-everyday/

朝習慣に欠かせない「3つの鉄則」。生産性の高い1日を死守するための掟とは? | ライフハッカー・ジャパン https://www.lifehacker.jp/article/2401-add-these-things-your-morning-routine-have-better-day/

Source: Amazon

Originally published by Fast Company [原文]

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