川勝前知事の辞職に伴う知事選は26日に投開票です。争点の一つはやはりリニア問題です。

川勝知事の任期途中での辞職に伴う静岡県知事選挙。

 立候補しているのは、届け出順に、いずれも新人で

 諸派の横山正文さん。

 共産党公認の森大介さん。

 無所属で立憲民主党と国民民主党が推薦する鈴木康友さん。

 無所属で自民党が推薦する大村慎一さん。

 無所属の村上猛さん。

 無所属の浜中都己さんの6人です。

 今回の知事選でも争点のひとつとみられているのが…。

 このところリニア問題をめぐっては様々な動きが…。

 先日行われた静岡県の専門部会では川勝前知事が頑なに認めてこなかった山梨側から静岡側へと県境を越えて行うボーリング調査を一転して認めることに。

 さらに、その専門部会について、大井川流域自治体から解散論も浮上。

 一方で、岐阜県では、リニア工事が影響した可能性がある「水枯れ」が起きていたことが明らかになりました。

大村慎一候補

 無所属で自民党が推薦する、元副知事の大村慎一さん。

 訪れていたのは大井川にかかる、島田市の蓬莱橋です。

大村慎一候補 14日
「この大切な大井川、リニアの問題があります。川勝知事に頑張っていただいた大井川の水と環境。これについてしっかり私は守っていきます。その前提で、しかしこのリニアの問題。本当にこれで前に進めたいんです」

 大村さんは、流域自治体との対話を重視するとともに、国の関与を明確化し、「1年以内に解決のめどをつける」と訴えています。

大村慎一候補
「何があるかわかりません。そういう時は最後に何が必要か、国が必要です。私はだてに36年間国で仕事をしてきたわけではありません。国土交通省や農林水産省、財務省、幹部は私の年齢になると、ほとんど皆友人です。私が言えばしっかりとこの静岡のために彼らは頑張ってくれます」

 蓬莱橋での演説には、島田市の染谷絹代市長も応援に駆け付けました。

大村慎一候補
「今までの積み上げを大事にして、流域の皆様の声に応えるようにやっていきたいと思っています。一方でリニアについては、静岡県にとってもメリットがあるということをきちんとJR東海からも引き出して示していきながら、その上で前に進めていきたいと思っております」

大村慎一候補

鈴木康友候補

鈴木康友候補 島田市 16日:
「久しぶりに来ましたよ」

 立憲民主党・国民民主党が推薦する前浜松市長の鈴木康友さん。

 大村さんと同じく蓬莱橋を訪れ、橋の上から大井川を望みました。

鈴木康友候補:
「水を軽視して工事を進めていい訳がない。今までちょっと議論にバラバラ感があったので、やはりステークホルダーとなる県と流域市町、JR東海、国、この4者がしっかり足並みをそろえて議論していく必要があるというふうに思います」

 鈴木さんは大井川の水量を確保するための田代ダム案をはじめとした対策によって、環境保全とリニア建設の両立を図るとしています。

鈴木康友候補:
「やはり大事な水であり自然でありますから、そうしたことに対する住民の皆さんの思いはひしひしと感じますので、そこは大切にしなきゃいけないと思います」

 一方で、リニアができれば、静岡県にも大きなメリットがあると訴えています。

鈴木康友候補 沼津市 9日:
「今、日本の移住先ナンバーワンはこの静岡県であります。これを加速するのが私はリニアの役割ではないかと思います。こだまもひかりもどんどん増やすことができる。三島や熱海や新富士はもう首都圏であります。リニアができると、この東部地域に絶大なる経済波及効果をもたらすと思っております」

鈴木康友候補

森大介候補

 共産党公認の森大介さん。

 リニア建設に反対の立場です。

森大介候補 静岡市葵区 9日:
「リニア中央新幹線の建設の問題。あの貴重な南アルプスの自然を壊し、工事によりまして大井川の水が大きく減り、その流域の8市2町の62万人の命と暮らしが脅かされる。問題山積のリニア建設は今こそストップすべきではないでしょうか。これを掲げている候補は私、森大介しかありません」

 また、リモート化が進んだ今、リニアは必要性が薄くなり、大量に電力を消費することから脱炭素の流れにも逆行すると主張しています。

森大介候補;
「リニアの工事については何かと静岡県が悪者扱いされているが、工事全体で言うとまだ1割とか2割の進捗率。やめるのであれば今だということも訴えていきたい」

 諸派の横山正文さんは、「水問題はすでに解決している」として、即時の着工を認める考えです。

 無所属の村上猛さんは、リニア新幹線事業を初期の段階から再検証すると訴えています。

 無所属の浜中都己さんは、JR東海の時効制限なしでの補償などを条件に着工を認めるとしています。

 静岡県知事選挙は26日投開票です。

森大介候補