星々との暮らし

ゲームをするときや輪になって話をするときなど、順番になにかをするとき、最初の人から順に「時計回りで」といういい方をしませんか?時計回りとは時計の進み方と同じ右回りですが、世界のどこにいっても同じです。では、なぜ時計は右回りと決まっているのでしょうか。

その理由は時計の成り立ちにまでさかのぼります。もともと人は、日の出から日の入りまでの太陽の動きを目で見て一日の時の流れを意識していました。やがて、地面にまっすぐな棒を立て、東から昇って西に沈む太陽に照らされたその棒の影や長さでおおよその時刻を計る「日時計」が紀元前4000年ごろのエジプトで発明されました。これが時計のはじまりです。

地球は西から東に自転しているため、太陽などの天体はすべて東から西に動いています。エジプトは北半球に位置するため、左にあたる東から昇った太陽は西である右に沈みます。つまり太陽の動きを受けて動く影も左から右に動くため、日時計の時間の経過は右回りで表されたのです。

やがて機械式のぜんまい式時計などが発明されましたが、そのときに日時計を参考にしたことで、時計も右回りになったといわれています。文明が発達していた北半球で発明がはじまったことから、北半球の常識に合わせ、時計は右回りとなりましたが、この理屈から考えると、もし日時計が南半球で発明されていたら、時計は左回りになっていたのかもしれません。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』