キン肉マンのピンチに立ち上がった、ミートくんの奮闘

 人気マンガ『キン肉マン』は、1979年に連載が始まり、1983年にはアニメ化され、今もなお連載中の人気作品です。2023年にはアニメ化40周年を記念して、アニメの新シリーズ制作が発表されました。そんな『キン肉マン』は、大柄な超人たちのバトルが魅力のなか、小柄な「ミートくん(アレキサンドリア・ミート)」が戦い、勝利した一戦があります。戦闘キャラではないミートくん勝利の裏には、キン肉マンとの長きにわたる深い絆がありました。

 ミートくん初の激戦の舞台は、1991年にアニメ化もされた「キン肉星王位争奪編」です。キン肉マンが誕生した際に、同時に入院していた5人の幼児が、「病院での火災の際に取り違えられたかもしれない」との疑惑が発端で、物語がスタートします。キン肉マンがキン肉星の王位に就こうとした矢先、成長した5人「運命の5王子」が現われ、王位の座をかけて、5人1組の団体戦が始まりました。ミートくんは「わたしはキン肉星の王子でもなんでもないのだ」と、自暴自棄になるキン肉マンを叱咤し、その後熱い戦いを見せます。

 熊本城で行われたキン肉マンマリポーサ率いる飛翔チームとの1回戦では、他の仲間の超人が指導者としての立場など諸々の事情で、キン肉マンをサポートできない状況でした。そのためキン肉マンチームはミートくんひとりしか参加できず、ふたりで闘わざるを得なくなります。先鋒ホークマン・次鋒ミスター・VTRとキン肉マンが倒しますが、中堅のミキサー大帝との闘いにて、キン肉マンは敗れてしまいました。

 そして、キン肉マンチームは、ミートくんをリングに立たせます。実戦経験のないミートくんに、キン肉マンは「ミキサー大帝の中枢のねじを一本抜いた」「後頭部にショックを与えれば相手はバラバラになる」ことを伝えました。その後、ミキサー大帝の攻撃で大流血してしまうミートくんでしたが、キン肉マンたちが闘ってきたこれまでの姿を思い出し、気持ちを奮い立たせます。

 ミキサー大帝がとどめを刺そうと、キン肉マンの「火事場のクソ力」を奪った際に使った技「パワー分離機」を仕掛けようとしたところ、ミートくんは身体を張って技を阻止します。さらに技を二度と使えないように「閉門クラッシュ」で、ミキサー大帝の胴体を破壊しました。そして、よろめくミキサー大帝の胴体を捕獲し、ミートくんが最も好きな技であるキン肉マンの「バックドロップ」を繰り出すのです。バックドロップで与えた衝撃は、ミキサー大帝を仕留めるには十分で、彼はバラバラになりリングに崩れ落ちるのでした。

 キン肉マンが倒せなかったミキサー大帝を、ミートくんが倒したこの一戦は、未だにファンの間で語り継がれています。ネット上では「忘れられない、凄く思い出に残った技」「小兵が大柄な相手を倒すという、誰もが好きなパターン」「かつてはバッファローマンにバラバラにされたミートくんが、キン肉マンを破ったミキサー大帝に大金星を挙げたのは本当に感動した」などとミートくんが、大舞台で成し遂げた勝利に、感無量の声もあがっています。

 そして、続くミートくんvsキング・ザ・100トンとの戦いでは、テリーマンとロビンマスクが助けに来てくれました。さらに、ミートくんはキン肉マンゼブラ率いる技巧チームとの2回戦でも、先鋒を志願してザ・マンリキと戦い、その後複数回病院送りになるも、積極的に戦う姿でファンを熱くさせています。ミートくんの奮闘は、「キン肉星王位争奪編」のなかでも、大きな見どころとして支持されました。