予想外のしきたりに「めちゃくちゃ良い!」

 田舎に移住した女性が、ご近所さんにあいさつに行ったところ、無愛想なおじいさんが「よくもまあこんなところに」と冷たく言い放ちました。さらに「住むからには、こっちのしきたりに従ってもらわんと」と怖いことを言いますが……?

 こばやし たけしさん(@attake_)による創作マンガ『移住先のジジィがヤバかった。』がX(旧:Twitter)で公開されました。移住先でのトラブルを予感させる展開ですが、予想外のオチに、読者からは「優しすぎる」「大歓迎やん」「めちゃくちゃ良いしきたり」「神すぎてヤバイ」などの声があがり、投稿には2300件を超える「いいね」が集まりました。

 作者のこばやし たけしさんに、お話を聞きました。

ーー『移住先のジジィがヤバかった。』はオチが素敵でした。このマンガを描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

 もともと私はずっと「地方創生」をテーマとしたマンガを描いてまして、そのテーマを追っていくうちに地方移住について調べていくと、たとえば移住先でのトラブルがニュースサイトに上がっていることなどが結構あって、ああ、移住者が地域の方々となかなかうまくいかないケースが多いのかな? と思いまして。

 そこで、どうしたらうまくいくんだろうか? と考えた延長線に浮かんだのがこの4コママンガでした。移住先は地域特有のしきたりがあったり、「気難しい人がいそう」というイメージが何となくあったりするので、そこを最後にひっくり返したら面白いんじゃないかと。

 実際、このオチのように至れり尽くせりではないですが、最初は気難しく見えても、付き合っていくうちにおすそ分けとか生活していくうえで協力してくれる地域の方って多いと思うんですよね。そうしたリアリティも少なからず感じていただけたのかな、と。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「愛想がなさそうに見えるけど、素晴らしい配慮のツンデレジジイ」みたいな感じで、みなさんツンデレにすごく弱いんだなぁ、と(笑)。何より、じいさんでもツンデレは好かれやすい、というのを知ることができたのが収穫ですね。

『父と娘の日常。』シリーズの一編『パパに理由なんか言えない。』(こばやし たけしさん提供)

ーーこばやし たけしさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 私は秋田市在住なのですが、もともと秋田を知ってもらいたいという思いがあって、そこから4コママンガを描き始めたのがきっかけです。

 秋田県は少子高齢化や人口減少など、何となくマイナスのイメージが強く、そこを何とか和らげることができないかな? と思い、秋田に関する4コママンガを出版したり、「秋田弁!単語カード」を企画・販売したりしていました。その延長でX(旧:Twitter)でいろいろと描いています。

ーーX(旧:Twitter)では『父と娘の日常。』を連載中です。こちらのお話の内容や見どころなどについてご紹介いただけますか?

 いつもクールに見えるけどパパが大好きな娘さんと、そのパパとの「何気ない日常会話」がテーマの優しいお話、というコンセプトです。

 見どころとしましては、娘さんがパパについてドキッとする、捉え方によっては少しキツイことを毎回言うのですが、実はパパのことをちゃんと考えてくれている、というあったかいオチが待っている2コマ(2ページ)マンガです。

 基本、パパがデレることが多く、娘さんの表情はほぼ変わりません。大事なことなので何度も言います。デレるのはパパです。そのあたりを肝に銘じてお読みいただければ幸いです。デレるのはパパです。

ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 ネタについては『父と娘の日常。』がメインではありますが、ネタに詰まったときとかは、ほかのジャンル(恋愛や幼なじみ、ギャップ萌え)を描くことによってリセットされるので、ほかのネタと並行しながら描いていければと思っております。基本、自分が面白いと思ったことや描きたいネタはスピーディにどんどん出していきたいですね。