「世話をしてあげた年下の男の子」との関係が逆転?

 寝つきの悪さに悩まされている会社員の岡野芽依。ある日、引っ越し先のマンションの隣人が、かつて世話をしてあげていた5歳下の幼なじみ、黒川羊一だと知ります。久しぶりの再会に、芽依はすっかり大人になった羊一の姿にとても驚きます。

 羊一の部屋で思い出話しに花を咲かせていると、芽依は彼の声の心地さで眠りに落ちてしまいます。芽依が目を覚ましたあと、寝不足と知った羊一は昔のお返しとして「毎日寝かしつけたい」と提案をしてきます。こうして、ふたりのちょっと変わった関係性の生活が始まって……。

 栗みやさん(@kurimiya103)による創作マンガ『おおきくなった幼なじみに溺愛される話』がX(旧:Twitter)上で公開されました。いいね数は7.1万を超えており、読者からは「イケボな歳下幼なじみとか夢にまでみたシチューエーションね」「初々しい感じも良いし、これからの展開が気になる」「年下なのにそれを感じさせない感じもまたいいです」などの声があがっています。

 栗みやさんは漫画家として活動しており、今作は『初恋羊の声とおやすみ』として「ガンガンONLINE」での連載が決定しました。

 作者の栗みやさんにお話を聞きました。

ーー今作『おおきくなった幼なじみに溺愛される話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。

 自分自身が寝つきの悪さに悩んでいて、「眠ること」をテーマに作品を描きたいと思ったのが最初のきっかけです。ラブコメとして、眠れないヒロインを寝かしつけてくれるヒーロー像をあれこれ悩みました。最初は男女の年齢差が逆で「ようちゃん」が「よう兄」だったりしたんですが(笑)。いろいろ考えて、今のふたりに落ち着きました。このふたりにしてよかったなと思っています。

ーーふたりの関係がとても素敵でした。今作を描くうえで工夫したポイントや、お気に入りのシーンなどはありますか?

 作画面では、ようちゃんの表情を最後の「ム」で崩すために、前半あまり表情を崩さないよう気をつけました。表情が大きく変わらなくても、ちょっとした言動や所作で「芽依ちゃんのことが大好き」というのが伝わるように……描けていたらうれしいです。個人的に気に入っているのは、最後にドアを開けて芽依を仕事に送り出すシーンです。靴の大きさから、10年の成長を感じられるようなコマ配置が気に入っています。

寝かしつけてあげていた子供の頃と立場が逆転(栗みやさん提供)

ーー仕事で忙しい日々を送る岡野芽依への共感の声や、ようちゃんには癒やされるなど、読者の方からはキャラメイクに多くの反響があります。キャラクター制作でこだわった点はありますか?

 最後まで悩んだのは、ようちゃんが今も芽依のことを好きだということに、読者の方や自分自身が納得できるような芽依のキャラクター性でした。ゴ●ブリのくだりなどは、悩んだ末に後で付け足したエピソードです。最終的に「自分だったらこういう子を幸せにしたい……!」というヒロイン像に落ち着きました。読切では足りなかった部分もあると思うので、これからもっと深く描いていけたらと思います。

ーーそのほかにも、たくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「続きが読みたい」とたくさんの方に言っていただけたのが、とてもうれしかったです。また、前の連載からの読者さんが「こっちも好き」と言ってくださったのもうれしかったです。(全然違うジャンルだったので……!)

ーー今作は『初恋羊の声とおやすみ』として「ガンガンONLINE」での連載が決まりましたね。おめでとうございます! 連載が決定されるまでの経緯や、今の心境を教えて下さい。

 実は読切が掲載された当初は、連載化の基準に達するか微妙なラインでした。思いきってX(旧:Twitter)に全文アップしたところ、ありがたい反響をいただいてこのたび連載が決まりました。「応援するためにアプリを入れました!」と「ガンガンONLINE」にコメントしてくださった方もたくさんいて、本当にうれしかったです。これから連載で、応援していただいた恩返しができたらと思います。頑張ります!

ーー栗みやさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 小学生の頃から自由帳にマンガを描いて遊んでいました。そのまま大人になっても描いている感じだと思います。

ーー今後、X(旧:Twitter)で発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?

 引き続き好きな作品を描いていきたいです。それが誰かのどこかに残ったら、とてもうれしいです。