ヒミツを共有したふたりの不思議な関係が始まる!?

 組長の娘として知られる女子高生の佐藤カンナは、にらんだだけでチンピラを撃退できるなど、周りからクールで強いイメージを持たれています。そのイメージが原因で、身内や学校のクラスメイトたちに甘い食べ物が大好きなことを隠し続けていました。

 ある日、友達が補習のためひとりで下校することになったカンナは「チャンス到来!」と、地元から離れたファミレスへパフェを食べに行きます。数年ぶりのパフェを満喫していると、才色兼備な委員長である望月美都(もちづき みと)が入店してきます。彼女が頼んだ意外なメニューにカンナは驚きを隠せず……?

 白野アキヒロさん(@akiakishira)が『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』としてXに掲載した『しゅがー・みーつ・がーる!』(芳文社)が話題です。いいね数は2.9万を超えており、読者からは「尊い、ギャップが好きすぎる……!」「見た目なんて気にせずに食べたいものを食べればいいのさ!」「描かれているご飯がどれもおいしそう。飯テロと甘テロくらっています」などの声があがっています。

 作者の白野アキヒロさんにお話を聞きました。

ーー今回、Xで公開された『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』が生まれたきっかけを教えて下さい。

 読み切り、連載作品ともに「きららフォワード」(芳文社)にて掲載いただいております。数年前、読み切りの掲載のお声かけをいただき、もともとX(旧:Twitter)マンガとして描こうとしていた「正反対のふたりがお忍び中にファミレスで遭遇する」お話を読み切り用にブラッシュアップしました。

 読み切り版がご好評いただきまして、連載版を作成するに至りました次第です。「正反対のふたりがwin-winの関係を築く」展開が好きだったため、何かシチュエーションを当てはめられないかと考え、私自身食べることが好きだったこともあり、このような形になりました。

ーー正反対のふたりの関係性がとても面白かったです。今作を描くうえで気を付けたことや、お気に入りのシーンなどはありますか?

 カンナが「見た目の怖さで損をしている」キャラクターなので、序盤でどこまで作画に反映させるか悩みました。私自身の絵柄は気を抜くとすぐ丸く幼くなってしまうので、あまりたくましく描いてもその後の作画でバランスが取れなくなりそうだなと。甘い物を食べることでかわいらしくなるギャップを見せたかったため、後半は少し丸めの作画にしています。

 美都は本人のキャラクター性に説得力を持たせるために、きちんと周りと比べて美少女になるように気にしながら描きました。お気に入りのシーンは「お互いの心臓(ひみつ)を握り合っている」のシーンです。お互いにとっては大ピンチですが、はたから見るとちょっと大げさな感じが気に入っています。

ヤンキー少女と清楚系委員長のヒミツな関係が始まる!?『しゅがー・みーつ・がーる!』第1巻 (C)白野アキヒロ/芳文社

ーーカンナと美都のキャラメイクに対して読者の方から多くの反響がありました。キャラクター制作でこだわった点はありますか?

 ギャップが重要なキャラクターなので、見た目でキャラ付けが分かるように小物を吟味しました。例えばカンナの足元はくるぶしソックスにスニーカー、美都はタイツとローファー、カバンはカンナはリュックサック、美都は革製、そしてリボンの結び方などです。

 さじ加減を間違えるとテンプレート的なキャラクターになってしまうので、魅力的になるよう勉強したいなと感じています。

ーーそのほかにもたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者のコメントはありましたか?

「これだけおいしそうに食べたらファミレスの料理人もうれしいだろうな」というコメントにほっこりしました。最後の美都のお誘いシーンは連載版にあたり力を入れたところだったので、そこを褒めていただいたコメントもうれしかったです。

ーー白野アキヒロさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

 絵を描くことは物心着くときから好きで、マンガも読んでいたためそこから自然とマンガを描いていました。本格的な投稿を始めたのが高校生の頃で、その頃からマンガの勉強を(独学ですが)始めました。

ーー今作が収録されている『しゅがー・みーつ・がーる!』第1巻(芳文社)が2024年3月12日に発売されました。書籍化の経緯や見どころを教えて下さい。

「きららフォワード」に載せていただいた読み切り版がご好評いただき、連載開始となりました次第です。連載途中に掲載誌に合わせて絵柄を変える練習を始めたので、1話から4話あたりまではコミックス化にあたりほとんどの顔や体のバランスを修正しました。

 連載版(修正前)は追っかけ連載のスタートした「COMIC FUZ」でお読みいただけるので、よろしければ比べてみて下さい(笑)。コミックス化にあたりカバーやカバー下の描き下ろしもたくさんしましたので、見ていただけるとうれしいです。

ーー今後の創作活動においての目標はありますか?

 幼い頃から「アニメ化するような漫画家になりたい!」と思っていたので、目標としては大きいですがメディア化できるような作品を描いていきたいと考えています。挑戦していないジャンルや勉強不足なところもまだまだあるので、精進して行きたいです。