新興国投資は必要?

日経平均は1989年12月29日に記録したバブル景気の最高値3万8957円越え、4万円台へ、米国のNYダウ工業平均やS&P500種指数も最高値を付ける中、新興国の株式市場はインドのSENSEX指数が最高値を記録する反面、中国など景気・株式市場共に低迷している市場もあります。ここでは改めて新興国への投資の意義を考えていきたいと思います。

下図は2020年以降の円貨換算したアジア各国の株価指数の動きです。

新型コロナショックが広がった2020年3月を起点に、世界の株式市場のおおむね上昇基調にありますが、インドやベトナム、インドネシア株式市場の好調が目立ちます。

人口13億の中国を抜き世界一の人口大国となったインド、世界第4位イスラム圏最大の2.7憶人の人口を抱えるインドネシア、中国に代わる製造拠点として急速に経済成長しているベトナムなど株式市場が好調な背景にそれぞれの理由があります。

各国の経済規模と時価総額は比例して増加している

ここで次の図を見て頂きたいと思います。

それぞれ世界全体、インド、インドネシア、ベトナムの人口と名目GDP(経済規模)と株式市場の時価総額を時系列で表したグラフです。グラフ内の緑色の縦軸は名目GDP、青色の線グラフは株式市場の時価総額です。いずれも目盛りは左軸にて米ドル(10億ドル単位)で表しています。

まず最初に気付く点は、インド、インドネシア、ベトナムおよび世界全体の名目GDPと時価総額は21世紀に入った頃から右肩上がりで増加していることが読み取れます。この間低迷していた日本人の感覚では実感できませんが、世界は21世紀に入り急速な経済成長を遂げ、高度成長期と言える状況なっています。そして経済規模と時価総額は一定の割合で比例して大きくなっています。

かつて日本経済も高度経済成長期と呼ばれる時代がありました。当時も個別企業によっては競争の結果、残念ながら株式市場から退出した企業も多数ありますが全体としての日本は世界第2位の経済大国に成長し、株式市場に投資した投資家に大きな成果を残しました。その歴史的成功を肌身に感じて知っている日本人こそ、21世紀の新興国の経済成長による株式市場の果実を得る機会を有しているのです。

(提供元:アイザワ証券)