ハイパフォーマンス志向の新型車「IONIQ 5 N」を日本国内を発表

【ニュル7分台の最強BEV】“N”を冠したヒョンデのハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」が日本上陸の画像一覧

ヒョンデ モビリティ ジャパンは、新型車「アイオニック 5 N(IONIQ 5 N)」を日本国内に導入し、6月5日より販売を開始すると発表した。これに先駆けて4月25日〜5月30日の期間限定で特別仕様車「ファーストエディション」の購入予約を受け付ける。

2022年より日本市場に再参入している韓国のヒョンデは、電気自動車、燃料電池車などのゼロエミッションヴィークルをオンライン販売で展開しているが、今後はハイパフォーマンス志向の「N」モデルからも目が離せない。

2022年からアイオニックで日本市場へ再参入

韓国の自動車メーカー「ヒョンデ」は、高級車ブランドのジェネシス、傘下のKIAを合わせた世界販売台数では730万台にものぼる巨大企業。トヨタグループ、フォルクスワーゲングループに次ぐ世界第3位の販売台数を誇る。かつて日本では「ヒュンダイ」と呼ばれていたが、ブランドイメージ統一のため、2022年の日本市場再参入発音を機に、表記は発音に近い「ヒョンデ」に改められた。

日本ではあまり知られていないが、米国消費者満足度調査で1位に選出されるなど品質向上は著しく、2015年に高級車ブランド「ジェネシス」、ハイパフォーマンスモデル「N」、2021年にEV専用ブランド「アイオニック」を立ち上げるなど、ブランド展開にも積極的だ。

2022年からの日本市場再参入では、電気自動車、燃料電池車などのゼロエミッションヴィークルをオンライン販売で展開していくことを明らかにしており、その販売展開は実に興味深い。

「N」はヒョンデのハイパフォーマンスモデル

今回日本国内導入が発表された「アイオニック 5 N」は、日本再参入の急先鋒となった電気自動車「アイオニック5」の「N」モデル。

2基の永久磁石同期モーターを前後に搭載し、システムトータルで最高出力は609ps、最大トルクは740Nmに達する「N」モデルとはヒョンデのハイパフォーマンスモデルのブランドで、開発拠点のある韓国の南陽(Namyang)と開発テストの舞台であるドイツのニュルブルクリンク(Nürburgring)にちなんでつけられたという。ちょうどBMWの「M」モデルにあたると考えると理解しやすい。「アイオニック 5 N」は、「N」ブランド初の電気自動車(BEV)となる。

前後のトルク配分は「Nトルクディストリビューション」によって制御パワーユニットは2基の永久磁石同期モーターを前後に搭載、システムトータルでは最高出力は609ps。最大トルクは740Nmに達し、「N Grin Boost」と呼ばれるブースト機能を使うと650ps/770Nmにまで引き上げられる。

前後のトルク配分は「Nトルクディストリビューション」によってコントロールされるが、ドライバーが任意に設定することもできる。

アグレッシブなデザインのブラックバンパーでより高性能なイメージを演出

専用のルミナスオレンジストリップで包み込んだリアディフューザーで車両下段の空力性能を向上サスペンションはフロントがストラット、リアがマルチリンクで、Gセンサーと6軸ジャイロセンサーを使った大容量の可変ダンパーを搭載。リアには電子制御式のLSDも装備する。また、最大0.6Gの減速が可能な「Nブレーキリジェン」による回生ブレーキに加え、フロントには4ピストンの大径ブレーキを装備して、強力な制動性能を発揮する。

足もとは専用21インチ鍛造ホイール&ピレリ P-Zero タイヤを履く

内装はサーキット走行に最適化され、上質なドライビングエクスペリエンスを演出ステアリングパドルを使った仮想変速によって8速DCTのような加減速ができる「N eシフト」、シフトチェンジと連動して3つの走行サウンドが楽しめる「N アクティブサウンド+」、バッテリー温度を最適化する「Nバッテリープリコンディショニング、走行状況に合わせて最適なパフォーマンスを発揮できるようエネルギーマネジメントする「Nレース」など、パワー強化だけでなく、さまざまな先進デバイスも投入されている。

バケットシートはサーキット走行でのホールド性はもちろん、ヒーティング/ベンチレーション機能も備えた日常走行での快適性も確保ただ、この「アイオニック 5 N」の正式発表は6月5日で、予定車両価格は¥9,000,000前後(税込み)とアナウンスされただけで、正確な価格や装備など詳細はまだ明らかになっていない。

ヒョンデ【アイオニック 5 N】スペック

V2L機能により車外でも100V電気製品が使用できる

全長×全幅×全高 4,715×1,940×1,625mm
ホイールベース 3,000mm
車両重量 2,190kg
パワーユニット 2モーター
総排気量 1,498cc
システム最高出力 448kW(N Grin Boost使用時478kW)
システム最大トルク 740Nm(N Grin Boost使用時780Nm)
バッテリー容量 84.0kWh
駆動方式 4WD
最高速 260km/h
0→100km/h加速 3.4秒
メーカー希望小売価格 ¥9,000,000 前後(税込)

50台限定の「ファーストエディション」で事前予約開始

今回は、「アイオニック 5 N」の一般販売に先立って、日本特別仕様の「ファーストエディション」が50台限定で事前予約が開始されることが発表された。

「ファーストエディション」には、メタルドアスカッフプレートやチェッカーフットレスト、インテリアエンブレム、ホイールセンターキャップ、Nフロアマットなどの専用パーツが組み込まれるほか、購入特典としてニュルブルクリンクで開催されるイベントやオーナー限定セレモニーへの招待、Nブランドグッズのプレゼントなども用意されている。

一般販売に先立って日本特別仕様の「ファーストエディション」を50台限定で事前予約が開始事前購入予約は2024年5月30日まで受け付け、6月1日〜4日まで注文できる。車両価格は通常モデルと同等で、6月5日よりアイオニック5Nを販売開始する。

文/近藤暁史 写真提供/ヒョンデ モビリティ ジャパン