松居大悟監督が高木ユーナの原作マンガを映画化した最新作『不死身ラヴァーズ』が5月10日(金)より全国公開される。このたび、映画公開に先がけ、高木が描き下ろし、台本の決定稿に使用されたイラストと、新たな場面写真が公開された。

主人公、長谷部りのが“運命の相手”と信じて追いかけるのは、両想いになった瞬間、この世界から忽然と消えてしてしまう甲野じゅん。二人は人生の中で何度も出逢い、そのたびにりのは「好き」と伝え、両想いになり、じゅんが《消える》という出来事を繰り返していく。本作では、それでも諦めないりののどこまでも真っすぐな「好き」が起こす奇跡の結末が描かれる。主人公を演じるのは本作が初の映画単独主演となる見上愛。そして、運命の相手役である甲野じゅんを佐藤寛太が務める。監督は、「別冊少年マガジン」に連載された原作に魅了されたという松居監督が担当。構想に10年をかけ、原作の好きになる、なられる男女の二人の関係性を大胆に入れ替えた渾身のラブストーリーに仕上げている。

公開された場面写真では、りのが、運命の相手だと信じるじゅんへ「好き!」という思いを伝えるシーンの数々が見られる。中学生のりのがじゅんと再会する場面から、高校時代、バイト先のクリーニング店、そして大学時代まで、りのの「好き!」が全身からあふれ出ている。見上は、りのについて「自分だったらこんなにストレートに『好き』ということを伝え続けられないです」としつつ、「諦めずに伝えていくって、とても難しいことだと思うんですけれど、それを素直な気持ちで言っているところも素敵だなと思いました」と魅力を語っている。

見上が役作りをする上で大切にしたことは「最初に原作を読んだ時に感じた、真っすぐな『好き』という気持ちの持つパワー」だったという。「毎日じゅんにラブレターを渡すシーンは、衣装とメイクを変えながらどんどん『好きです』『好きです』と撮っていったんですが、そこでどのぐらい気持ちを重ねていくのか、好きという気持ちが増したり、逆にそのことを忘れられることが悲しくて落ち込んだりっていう変化をつけていきました」とこだわりのシーンも明かした。

今作は、原作の好きになる、なられる男女の二人の関係性を大胆に入れ替えているが、見上は「最初に原作を読んだ時に感じた真っすぐな『好き』という気持ちの持つパワーは、演じる時にも大事にしようと思いました」と振り返り、「中高生時代のりのが突っ走っていて、感情表現がオーバーな分、松居監督とも相談し、佐藤さんが演じるじゅんから受け取るものに対して、都度素直に反応して、傷つくところはちゃんと傷つく、ということを意識しました」と語っており、そうしたリアルな感情の変化が、物語に深みと説得力を持たせている。

原作者の高木は完成作を見て涙を流し、見上に「本当に同じ時代に⽣まれてきてくださってありがとうございます」と言葉をかけたという。見上も「先⽣が原作を描かれたのは、10 年前だったので、『その時だったら出演者の皆さんはきっとこの役にふさわしい年齢じゃなかったと思うから、いまこの時にやってくださってありがとう』と⾔っていただいたのが、すごく印象に残っていますし、今後もきっと忘れないと思います」と振り返る。

高木描き下ろしのイラストでは、りのが様々な場面で「甲野くん!」と想いを伝えるシーンが満載。松居監督自身、映画化を「諦めることができなかった」こだわりを持つ珠玉のラブストーリー『不死身ラヴァーズ』。本作をぜひ映画館で味わって欲しい。

文/サンクレイオ翼