映画という枠組みを越え、いまや世界中で大人気のアトラクション施設ともなっている「ジュラシック」シリーズ。2022年に公開された『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(22)を含む「ジュラシック・ワールド」シリーズ3部作が金曜ロードショーで一挙放送される。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が劇場公開され、堂々完結を迎えた「ジュラシック」シリーズ。第96回アカデミー賞で『ゴジラ-1.0』(公開中)が受賞したことで、日本でも話題となったアカデミー賞の「視覚効果賞」。初代『ジュラシックパーク』(93)もこの賞を受賞しており、恐竜たちのロボットやCGを駆使して、映像表現の歴史を塗り替えた。そのDNAは、今回金曜ロードショーで放送される「ジュラシック・ワールド」3部作にも受け継がれている。

まず、5月17日(金)に放送されるのは『ジュラシック・ワールド』(15)。「ジュラシック・パーク」の大惨劇から22年、当時の会社は買収され、新たな恐竜のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンする。恐竜たちを間近に見ることができ、さらに触れ合うことができる高級リゾートとして人気を博していた。しかし、パークの成功のためには新種の恐竜を作り出さなければならず、人間はとうとう倫理観の一線を超え、遺伝子組み換え恐竜を作り出す。そうして作り出された大型恐竜インドミナス・レックスは、けた違いに高い知性と攻撃性を持ち、隔離されていた場所から「ジュラシック・ワールド」のジャングルへ逃亡してしまう…。本作の注目のポイントは、「登場する恐竜たちの賢さ」。脱走する大型恐竜インドミナスは、その巨大さと獰猛さにも驚かされるが、罠を張ったり、その身を隠したりと、その賢さで人間たちを脅かしていく。インドミナス以外にも、人間と心を通わす恐竜(ブルー)まで登場。育ての親の主人公のオーウェン(クリス・プラット)は、ブルーと信頼関係を築き、子どものような存在にまでなっていく。人間と恐竜の新たな共同生活の時代が幕を開ける。

続く5月24日(金)には、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)が放送。人気テーマパークであった「ジュラシック・ワールド」が、解き放たれた恐竜たちによって破壊されてから3年。島に残った恐竜たちはジャングルのなかで自力で生き延びていた。しかし、島の火山が活発な活動を始め、恐竜たちは絶滅の危機に。人類は自分たちが復活させたはずの恐竜たちを、見放し絶滅させるのか、保護するのか選択を迫られる。そんななか、保護団体が恐竜たちを利用するために暗躍。島の恐竜たちはアメリカ本土の地下施設へ運び込まれていく。恐竜たちはコレクションとして、世界中のバイヤーに売りさばかれ、さらには軍事利用しようとする企みも進んでいた。注目してほしいのは「匂いまで伝わってきそうなリアルな恐竜の表現」。前作に比べ、より多くの恐竜のロボット(アニマトロニクス)が使用されることとなった本作。恐竜のロボットを精巧に作るのには、相当な労力を要するが、その分、セットに恐竜がいれば実際に照明を当てることもできるうえ、役者も恐竜を見て演技ができ、リアルな表現ができるとのこと。シリーズの伝統ともいえる映画表現を堪能することができる。

そして「ジュラシック・ワールド」3部作の完結編である『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は、5月31日(金)に地上波初放送を迎える。火山噴火の危機から救出された恐竜たちが、アメリカ本土から世界中へと解き放たれてから4年。地球上の各地に恐竜たちが棲みつくようになり、地球は人類と恐竜が混在する新しい世界「ジュラシック・ワールド」と化していた。恐竜の保護活動を続けるオーウェンは人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンはかつて心を通わせた恐竜ブルーと、その子どもに再会。しかし、なに者かによって、ブルーの子どもが誘拐されてしまう。ブルーに「俺が取り戻してやる」と約束したオーウェンは、子どもの救出へ向かう。注目のシーンは、街中で繰り広げられる“恐竜チェイス”のシーン。バイクに乗ったオーウェンが、軍事利用された恐竜たちに追われるシーンが大迫力に描かれる。

現代に蘇った恐竜たちがもたらす恐怖を圧倒的スケールで描く大人気シリーズの完結編となる「ジュラシック・ワールド」3部作をぜひこの機会に目撃してほしい!

文/サンクレイオ翼