飯島町の飯島中学校3年生は14日、修学旅行で訪れる古都・奈良の春日大社で、町を紹介するPR活動を行う。観光客らに手作りしたポストカードやキーホルダー、わら細工のお守りなどを配布する。外国人を含め多くの人が訪れる世界遺産で展開する貴重な経験に向けて「緊張するけれど、町の豊かな自然などをアピールしてきたい」と意気込む。

 2年生の総合学習の一環で、地域の人を講師に迎え町の魅力や課題について学びを深めてきた69人の生徒たち。昨年末からは「町のためにできること」を自ら考え▽つくる▽ボランティア▽PR▽イベント−の4班に分かれ、地域課題の解決に向けて具体的な活動を展開している。

 さまざまな形で郷土愛を育む中で、2月には町定住促進室と協力して東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」で移住セミナーも実施。生徒たちが町の魅力や学校生活について、田舎暮らしなどに関心のある都会の人たちに情報発信もした。

 今回は、町を元気にしたいという思いで特産品化が進むわら細工に触れる中で、職人たちが手掛けたしめ縄が春日大社で使われていることを知ったことがきっかけ。自分たちが修学旅行で行く場所として親近感を覚え、学年主任の鈴木雅美教諭が大社側に打診して実現することになった。

 ポストカードは生徒自ら撮影した町の景色や特産品などで飾り、添付した二次元コードを読み取ることで、生徒たちによる町紹介の動画を閲覧することもできる。

 PRに向けて、生徒たちは外国人との応対を想定して英会話も熱心にレッスン。生徒は「エクスキューズミーって話し掛け、まずは飯島について知ってもらえたら」と期待し、「町は人口減少が続くので、人を呼び込めるように紹介したい」と、地元への愛情たっぷりに話した。