任期満了に伴う愛知県の碧南市長選挙の投開票が21日行われ、新人の小池友妃子さん(54)が初当選しました。愛知県で2人目の女性市長となります。5期目をめざした現職と旧統一教会との関わりが争点のひとつとなり、16年ぶりの選挙戦となりました。

 碧南市長選挙では、無所属・新人で元碧南市議の小池友妃子さん(54)が初当選を決めました。

 今回の選挙は、5期目を目指す現職の禰宜田政信さん(72)と旧統一教会との関係が指摘されるなか、現職に新人2人が挑む構図となりました。

 選挙戦最終日の20日、小池さんは街頭演説ができる時間ぎりぎりまでマイクを握り、こう訴えました。

 「人気取りじゃないんです。子育て支援は人気取りじゃない。本当に必要な時にどこよりも早くやらないと、若い人たちにとって魅力ある街にならないんです」(碧南市長選で初当選 小池友妃子さん)

 2児の母でもある小池さんは、高校の授業料無償化を含めた子育て政策などを訴えてきました。

愛知県で2人目の女性市長

碧南市長選で初当選 小池友妃子さん

 候補者全員の演説を聴いた人は――

 「(小池さんは)思いが、本当に心から腹から出ている。自分たちと一緒の子どもがいるというのが共感を持てる。自分の思いというのが、ちゃんと一貫性がある。軸があるのが(小池さんと他の候補との)明らかな違いかなと思いました」(演説を聴いた人)

 投開票日の21日、小池さんは1万4424票を獲得して初当選を決めました。

 愛知県で女性が自治体トップに就くのは、去年9月の長久手市の佐藤有美市長に続いて2人目です。

「市会議員のときも対話を中心としてきたので、まずは皆さんと対話をしながら街を進めていきたい。女性男性ではなく、できる人ができることをしていくという時代がやってきているのではないかと思う」(小池さん)

新しい政治を期待

敗れた現職 禰宜田政信さん

 約5000票近い差で敗れた、現職の禰宜田政信さん。

 2021年に、名古屋市内で旧統一教会の関連団体が開いたイベントで「実行委員長」を務めていたことなどが指摘されていて、争点の一つとなっていました。

「本来は(旧統一教会問題が)争点になるのが、おかしいなと自分自身で思っている。思想信条とかは個人のことなので、本当は政策がどうか、今後の碧南市がどうよくなるかを争点でやるべきだと思う。これで禰宜田市政16年間、一応終止符を打つ」(敗れた現職 禰宜田政信さん)

「(禰宜田さんは)本当は旧統一教会の幹部なのか、信者なのか、あるいは旧統一教会とは全く関係ないのかはっきりされない中で、もう不安は嫌だと、新しい政治を期待すると、今回選ばれたのではないかと思います」(小池さん)

現職が落選した一因とは?

旧統一教会問題に詳しい 鈴木エイトさん

 21日、禰宜田さんの事務所には、旧統一教会問題に詳しいフリージャーナリストの鈴木エイトさんも取材に訪れていました。

 今回の選挙は、碧南市外からの注目が高かったと話します。

「碧南市外の方が、かなり盛り上っているのに比べて、市内ではなかなか市民がそこまでご存知でない方も多いのではないかということで、実際に現地に来てみていろんな人に話を聞いたり、当事者の禰宜田市長に話を聞きたいと思って来ました」(フリージャーナリスト 鈴木エイトさん)

 鈴木エイトさんは、禰宜田さんの説明不足が落選の一因になったと分析しています。

「どんな反社会的な団体であったとしても、その団体への信仰を持つかは自由。首長の立場として関わったことの説明責任を果たさず、公開質問状にもちゃんと答えていないというところが不信感を生んだ」(鈴木さん)

 当選から一夜明け、22日の朝も街頭に立った小池さん。

 今後、市長としてどんな碧南市をめざすのか語りました。

 「心が豊かになるような街づくりをしていきたいと思うし、きめ細やかに市民の人たちと触れ合い、行政を進めることができるといいと思う」(小池さん)