ちょっとひととき…懐かしい “昭和の長崎”を感じてみてください。
NBCライブラリーに残る映像で振り返ります。

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ハタ揚げは長崎市民にとって春の風物詩といえる年中行事です。
夏の精霊流し、秋の長崎くんちと並んで長崎の三大行事とされてきました。

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長崎では凧のことをハタと呼びます。
鎖国時代にオランダから伝わったともいわれており、デザインはオランダ国旗を模した赤、白、青の縞模様のようなシンプルなものが定番ですが、この他にも何百種類もあるといわれています。

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ハタは2本の骨を十字型に組み合わせたひし形の凧で、ヨマ(タコ糸)にはビードロ(ガラスの粉)を麻糸にまぶしてあり、これによって他のハタのヨマを切る「ハタ合戦」を行うのが長崎独特のハタ揚げです。

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ハタ揚げの歴史は古く、江戸時代から風頭山、唐八景、金毘羅山などの長崎の町を取り巻く山々で盛んに行われていました。

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なかでも唐八景のハタ揚げ大会は、長崎港や東シナ海を望める景観の良さと相まって毎年多くの市民を集めており、数多くのハタが大空を舞うさまは壮観です。

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春のハタ揚げ大会は毎年季節の話題としてNBCでも放送されてきました。
この映像は1962(昭和37)年4月のハタ揚げの模様で、TVニュースに加え、ラジオの録音番組も制作されました。60年以上前のハタ揚げの賑わいが今によみがえってきます。

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ハタ揚げの名所、唐八景にはこの年も多くの人たちがハタ揚げ大会に参加しました。

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映像には、タコ糸を空中で絡み合わせて切り合うハタ合戦や、地上に落ちてくるハタを奪い合う様子などが記録されています。

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ヨマを切られた敗者のハタには所有権はありません。このハタを狙って多くの野次馬が落下点を目指して殺到しています。

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中には「ヤダモン」と呼ばれる長い竿に木の枝をくくり付けた専用の道具を持ち込んでいる人もいます。

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大勢の子どもが奪い合ったため、骨組みだけになってしまったハタも…。

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長崎っ子の心を揺さぶるハタ合戦。ハタの奪い合いの激しさから、江戸時代には何度も禁止令が出たそうですが、その度に復活し、現在も続いています。
老いも若きも関係なく夢中になる行事、それが長崎のハタ揚げです。

放送局が撮影した 長崎の映像を配信している『ユウガク』より