今週も引き続き「中山・阪神・中京」の3場開催。重賞は、土曜日に毎日杯(GIII・阪神・芝1800m)と、日経賞(GII・中山・芝2500m)。そして日曜日にマーチS(GIII・中山・ダート1800m)、中京競馬場でGI高松宮記念(中京・芝1200m)が行われる。今週は注目されるGI高松宮記念にスポットを当て、過去10年のデータから馬券のヒント傾向を探っていこう。

1.1番人気より2・3番人気が活躍?

 今週もまずは上位人気馬の成績チェックから。高松宮記念は過去10年、1番人気馬の勝利はたった1回だけ(16年ビッグアーサー)しかいない。成績は【1-1-2-6】。春の重賞戦線のなかでも、ひときわ低い1番人気馬成績となっている。

 対して、2番人気馬は【2-4-0-4】、3番人気馬は【2-1-3-4】と、1番人気馬より良い成績が出ている。狙うならばこちらか。

 ちなみに1-3番人気で馬券圏内独占しているのは2回(16年、21年)あり。上位3番人気以外が1着になっていたのは5回(15年、17年、20年、22年、23年)、それぞれ4番人気、5番人気、9番人気、8番人気、12番人気馬が勝っている。

 御存知の通り、特に近2年はかなりの荒れ傾向化。トレンドからすれば、堅い馬券を買うよりも、荒れ期待での「夢馬券」を買った方が妙味ありなのかも…。

2.人気薄の激走パターン馬は今年いる?

 これは例年紹介しているデータ。過去10年、馬連が万馬券以上になっていたのは3回(14年、19年、22年)あるのだが、いずれも人気薄馬として「牡6歳の関東馬」が絡んでの波乱となっていた。

 残念ながら昨年はその条件に当てはまる馬が不在だったが、かわりに関西馬・人気薄の牡馬ベテラン勢が2頭も馬券になっての波乱となった。そして今年も、条件に当てはまるタイプは不在だ…。

 あとは4枠に入った関東馬が活躍するパターンもあったが、今年の4枠には関西馬2頭でこれも使えず…。あとは近7年では、「2着に牝馬」というパターンが6回も発生している。特に当てはまるのは「5番人気以内の牝馬」。今年狙うならばこれかも…。

3.逃げ馬も最速上がりタイプも活躍できない?

 先週の阪神大賞典は、上がり最速タイプが活躍するレース。先週は、当コラムでもそれを指摘したが、名前を出したテーオーロイヤルがズバリ1着、2着ワープスピード・3着ブローザホーンも前走で上がり最速出していた馬で上位独占となってくれた。

 しかし今週の高松宮記念は、一転して最速上がりタイプがあまり活躍していないレース。過去10年で最速上がりを出している馬はわずか1勝で、2着も2回あるだけ。せっかくの追い込みも届かない場合が多いのだ。短距離戦なのでペースに左右されるわけだが、スタートに加え、道中の位置取りは重要ということになる。

 一方、ハナを切った逃げタイプもあまり良い成績ではない。過去10年、逃げタイプで馬券圏内になっているのは1頭だけ。最後に伸びず、着外に敗れるケースが多い。

 つまりはどんなペースでも「前過ぎず後ろ過ぎず」。最後に切れるタイプが上位になっていることになる。まあそれを見つけ出すのが難しいワケなのだが…。

4.前走ローテは「3つのレース」が優勢?

 枠順の内外での有利不利は、全体的に見ればさほどないというレベル。ただ過去10年で1度も馬券圏内になっていない死に目の枠はある。それが6枠。今年ここに入ったメイケイエールとロータスランドにとっては嫌なデータとなる。

 最後は前走ローテについて。これは前走「阪急杯組」「シルクロードS組」「オーシャンS組」の活躍が目立っている。「阪急杯組」は近5年で4頭が馬券圏内。「シルクロードS組」は16年、17年、18年、23年で勝利。「オーシャンS組」は過去10年で7頭が馬券圏内になっている。

 今年もこの条件に当てはまる出走馬は多いので絞り込みは難解。ちなみにこれらの前走ローテ馬たちが1頭も絡まないというケースは発生していない。