悲願のGI初制覇なるか。ウマ娘で知られる藤田晋オーナーが、桜花賞(3歳牝・GI・芝1600m)にボンドガール(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)で挑む。

 藤田オーナーは21年に馬主デビュー。千葉サラブレッドセールやセレクトセールで高額馬を続々と落札して注目を集め、22年ニュージーランドTのジャングロで早々と重賞初制覇を果たした。そして3世代目となる現3歳はヴィンテージイヤー。先週のUAEダービーを制するなど、デビュー5連勝中のフォーエバーヤングは、ケンタッキーダービーの前売りで上位人気に推されている。また、昨年の京都2歳S覇者のシンエンペラーは、牡馬クラシック戦線の中心的存在だ。

 そして牝馬クラシック路線を任されているのがボンドガール。昨年6月の新馬(東京芝1600m)では好位追走からチェルヴィニアを下し、堂々のデビュー勝ち。一転、続くサウジアラビアロイヤルCは出遅れて後方からとなったが、渋太く脚を伸ばして2着を確保。1番人気に応えることはできなかったが、経験値を積むという意味では価値がある走りだった。

 その後、阪神JFは調教中に放馬した影響で右前肢を打撲したため、無念の回避。今回は約半年ぶりの実戦となるが、攻め過程や動きを見る限り、力を出せる態勢とみていいだろう。現時点では2/3の抽選対象だが、出走となれば21年のソダシ、23年のリバティアイランドの中118日を大きく更新する、中182日の桜花賞最長ブランクVを目指すこととなる。

 国内外で次々にビッグレースを仕留めている藤田オーナー。しかしながらJRAのGIはこれまでに延べ6頭が参戦して、昨年のホープフルSのシンエンペラーの2着が最高着順となっている。初のクラシック参戦となる今回、悲願の戴冠となるか注目したい。