有力どころは阪神JFやチューリップ賞で既に対戦していることも多く、桜花賞での人気は主にそれらの結果をもとに形成されていく。しかし、コース改修以降の17回で1番人気4勝に対し2番人気は6勝と、1番人気の信頼度はそこまで高くない。また、阪神JF勝ち馬は4勝、チューリップ賞勝ち馬は2勝のみであり、前哨戦で敗れていた馬が逆転勝利を飾ったり、別路線を歩んできた馬が一気の戴冠を果たすケースの方が多い。昨年のリバティアイランドのような絶対的存在がいない今年は、こちらのケースに属する可能性が高い。

1.フレッシュな馬

 過去10回で、それまでのキャリアが5戦以内だった馬は[9-10-9-106]で複勝率20.9%と好走馬の大半を占めるのに対し、6戦以上だった馬は[1-0-1-41]で複勝率4.7%。既に豊富なキャリアを重ねている馬は狙いにくい一戦。

2.前走重賞好走組が中心

 過去10回で連対した20頭中、17頭は前走重賞で3着以内の実績を残しており、前走オープン・リステッド組で3着以内に好走したのは20年1着のデアリングタクトだけ。上で述べたように、王道路線を勝利してきた馬が勝つケースはあまり多くないものの、重賞初挑戦での激走や、凡走から変わり身を見せてくる、というケースもまた多くない。

3.前走控えていた馬

 過去10回で、前走の4角を先頭で回っていた馬は[1-1-0-14]で複勝率12.5%と苦戦傾向。また、4角2番手だった馬も[1-0-0-20]で複勝率4.8%にとどまる。3番手だった馬は[1-1-1-14]で複勝率17.6%あるため、一概に先行不利とは言えないが、直線の長い阪神マイルなだけあって、前走でも控えて末脚を使う競馬をしてきた馬の方が活躍傾向にはある。

 アスコリピチェーノはデビューから無傷の3連勝で阪神JFを制覇。言うまでもなく能力が高く、休み明けのここでも最上位と言える。初戦は後方から33.3秒の上がりで差し切っていて切れもあり、ある程度のポジションをとる競馬もできる。ここも勝ち負けに持ち込める。