昨年の最優秀障害馬のマイネルグロン(牡6、美浦・青木孝文厩舎)が、中山グランドジャンプ(4歳上・J・G1・障4250m)で史上7頭目のJGI連勝を狙う。

 マイネルグロンは父ゴールドシップ、母マイネヌーヴェル、母の父ブライアンズタイムの血統。父は「白い怪物」の異名をとったGI6勝馬。皐月賞では3角から4角にかけて、馬場の悪いインコースから一気に進出する「ゴルシワープ」を決めて、見事にGI初制覇を果たした。一方、激しい気性が災いし、時に思わぬ大敗を喫したが、そういった個性的なキャラクターもファンの心を掴んだ。種牡馬としてもユーバーレーベンやウインキートス、ウインマイティーなど、牝馬を中心に活躍馬を輩出。日高の人気種牡馬の地位を確立している。

 一方の母系も優秀だ。03年のフラワーCの覇者。母のきょうだいも軒並み走っていて、マイネルネオスは11年の中山GJ、マイネルチャールズは08年の弥生賞と京成杯、マイネルアワグラスは08年のシリウスSを制している。また、めいのユーバーレーベンは21年のオークス、おいのマイネルファンロンは21年の新潟記念の勝ち馬。まさに近年のラフィアンを代表する名牝系といえるだろう。

 マイネルグロンは平地では惜敗が目立ち、11戦未勝利に終わった。しかし、障害に転じて素質が開花。とりわけ昨春以降の成長は目覚ましく、オープン→オープン→東京ハイジャンプ→中山大障害→阪神スプリングジャンプと破竹の5連勝中。とりわけ近2戦は2着に1秒7差、1秒2差の大楽勝だった。まだ6歳と障害馬としては若く、無事なら一時代を築くことは間違いない。

 今回はブランディス、マジェスティバイオ、アポロマーベリック、アップトゥデイト、オジュウチョウサン、メイショウダッサイに続き、史上6頭目のJ・GI連勝がかかる一戦。また、これまでにゴールドシップ産駒としては歴代2位の2億942万1000円を獲得しているが、中山大障害を勝てば、現在トップのユーバーレーベンの2億3940万800円を抜いて1位に浮上することとなる。もちろん、この馬にとってはそんな記録も通過点。今回もライバルを圧倒する走りを見せてくれるはずだ。