暮れに行われる中山大障害よりも150mほど長い4250mに9種類12回の障害と、3種類のバンケットが5回用意されている最高難度の障害レース。体力的なスタミナと同時に精神的なスタミナも求められるレースだ。過去10年の間にはオジュウチョウサンの5連覇が含まれているとはいえ、定量戦で行われる最高峰レースだけあって1番人気馬は[7-1-0-2]と結果を残している。

 ◎マイネルグロンは昨年の最優秀障害馬。平地未勝利からの障害転向だったが、昨年3月の障害オープン快勝から前走の阪神スプリングジャンプまで3つの重賞を含め、5連勝中。中山大障害が2着に10馬身差で、前走は62kgを背負って7馬身差。課題だった折り合い面は、まだ100%の解消とは言えないが、ほぼ不安がなくなり、死角らしい死角が見つからないような状態だ。競馬だから「絶対」はないもののアクシデント以外に大きく崩れることは考えにくい。

 〇エコロデュエルは昨年暮れの中山大障害3着で、阪神スプリングS2着馬。いずれのレースも勝ち馬には離されてしまったが、この馬は入障2戦目で勝ち上がり、続くオープン競走も楽勝したくらいだから障害馬としての資質は高い。まだまだ粗削りな面は否定できないが、障害馬としてのキャリアはまだ浅く、年齢的にもまだまだ伸びしろたっぷりな5歳馬。将来が有望なジャンパーであることは間違いない、

 ▲イロゴトシは昨年の優勝馬。平地3勝クラスからの入障で2戦目に勝ち上がり、4戦目にグランドジャンプを制したのだから障害センスは抜群だ。ただし、久しぶりだったとはいえ東京ハイジャンプの大敗は、この馬のそれまでのキャリアからすればやや負けすぎの感は否めない。その後、平地を叩いて挑む変則的なローテーションはやや気になるものの、まだ見限れない1頭だ。

 △ニシノデイジーは22年中山大障害優勝馬で、昨年の当レース1番人気馬。この時は不可解な大敗を喫してしまったが、昨年暮れの中山大障害では2着を確保して一線級の能力を示している。前走は62kgを背負って積極策に打って出たが、早めに交わされたのも痛かった。すんなりいければ侮れない。最後に昨年の3着馬△ダイシンクローバーの名前もあげておきたい。