2着以内馬にはオークスへの優先出走権が付与される重要なステップレースで、過去10年で、ここをステップに本番へと挑んだ馬は[1-3-1-39]。ただし桜花賞から回ってくる馬はほとんどなく、また近年の傾向から力関係がつかみにくい。今年も出走14頭中、1勝馬が12頭と難解だ。開幕週だけにある程度の先行力が求められることが多いものの推定上がり最速馬は[5-0-2-10]。決め手も求められるレースだ。

 ◎クリスマスパレードは水仙賞の優勝馬。昨年12月のデビュー戦は前半こそやや促されながらの追走だったが最後は12.1、11.8とゴール前の急坂で加速ラップを記録し、前走は牡馬を相手に内容的には完璧な勝利を収めている。まだキャリアは浅いもののキタサンブラック産駒で、母の父はBCクラシックでゼニヤッタをねじ伏せたブレイムなら、まだまだ伸びしろがありそうだ。ここでしっかりと権利を取りたいところだろう。

 〇アドマイヤベルは新潟競馬場芝1800m優勝馬。その後も百日草特別3着、フリージア賞2着とクラシックを狙うような牡馬相手の特別競走で惜しい競馬を続けてきた。まだ心身ともに幼さを残しているが、半姉にヴィクトリアマイル優勝馬アドマイヤリードがいる血統で、この馬も1戦毎に大きく成長している印象だ。百日草特別で先着を許した1頭がアーバンシックなら、むしろ評価したい。

 ▲カニキュルは、東京競馬場芝2000m未勝利戦優勝馬。フラワーCは6着だったが、この時は軽度の骨折明け。500kgの大型馬であり、完歩が大きく、器用さに欠けるためコーナー4つの小回り競馬では持ち味を十分に発揮できなかったようにも見えた。勝利経験のある広い東京コースで見直したい。

 △トロピカルティーは東京競馬場芝1800m新馬戦優勝馬で、若竹賞3着。スタートに難がある馬だが、若竹賞で先着を許した2頭は着順の入れ替えこそあったものの、そのままスプリングSで2着・3着なら責められない。

 ほかでは勝ち上がるまでに3戦を要したものの馬格に恵まれている△バロネッサと、先行力を武器にフラワーC5着△エルフストラック。最後にデビュー戦の内容が良かった良血△マルコタージュの名前をあげておきたい。