New Commerce Venturesは4月9日、AIを活用したEコマース運営の自動化・効率化を支援するサービス「Sync8(シンクエイト)」を提供するSync8に出資したと発表した。出資した資金は、AI技術の高度化と自動化機能の拡充、他社とのサービス連携強化などに活用される。

New Commerce Venturesはこのほど、「誰もが挑戦できる世の中をつくる」をミッションに掲げ、AIを活用したEコマース運営の自動化・効率化を支援するサービスを開発するスタートアップ企業Sync8への出資を実施した。

少子高齢化による労働力不足が深刻化する中、Eコマース運営には多くの作業が必要とされ、人的リソースやコストの面で運営の障壁が高くなっている。

Sync8は、独自に開発したAIアルゴリズムを用いて、商品管理から顧客対応までのあらゆる業務を自動化・効率化することで、この課題の解決を目指している。提供するAIコマースアシスタント「Sync8」は、必要な機能を直感的に操作できるダッシュボード上で提供しており、利用者は最小限の手間でAIによる運営サポートを受けることができる。

在庫状況や販売データをグラフィカルに可視化し、誰でもデータ分析に基づく意思決定ができるようサポートするほか、Sync8のAIエンジンは、膨大なEコマースデータを学習することで継続的に精度を高めていくという特徴も備える。

個々のユーザーの運営データを分析し、パーソナライズされたアドバイスを提供することで、Eコマース事業者に寄り添った支援を実施。トロントのスタートアップ企業や、IITHの片岡准教授とも連携し、AIの専門知識がなくても直感的な操作だけで高度なデータ分析に基づくアクションを実行できる機能の開発も進めている。

これらの機能により、EC事業者は本来の業務に集中できるとし、将来的には、地域経済の活性化や雇用創出など、社会全体の課題解決にも貢献していきたいとしている。

Sync8は、今回調達した資金により、AI技術の高度化と自動化機能の拡充、他社サービスとの連携強化、研究機関・技術パートナーとの協業、グローバル展開の推進を目指す。

AI技術の高度化と自動化機能の拡充では、AIエンジニアやデータサイエンティストの採用を加速し、自然言語処理や画像認識、需要予測など、EC運営に直結するAI技術の研究開発を強化を図る。

他社サービスとの連携強化においては、プラットフォームや決済会社、他のEC支援サービスとのデータ連携を進め、より包括的なソリューションの提供を目指す。さらにDMP・MA・レコメンド・外部連携・分析機能などを1つのプラットフォームに統合し、ワンストップでの利用を可能にする。

研究機関・技術パートナーとの協業では、大学や研究機関、技術パートナーとの連携を拡大し、最先端のAI技術の事業への応用を加速。共同研究や実証実験を通じて、実践的なソリューション開発を進める。

グローバル展開の推進では、グローバルチームとの連携を強化し、越境ECの支援機能を拡充する。多言語対応や、現地の物流事情に合わせた配送最適化など、日本企業の海外展開をサポートする体制を整備する。

「Create the Future of Commerce」を掲げ活動しているNew Commerce Venturesは、今回の出資にあたり、小売・流通領域のDXが進む中でIT領域の人材不足は深刻化していくとし、AIコマースアシスタントの提供によりEC運営者の業務の効率化・自動化を推進し、深刻化していく課題の解決を目指すSync8が、次世代型のEC運営を切り拓いてくれるとの期待を寄せた。「誰もが挑戦できる世の中をつくる」のミッション実現に向け、一丸となり支援する考えを示した。