黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月15日放送)にホテル評論家の瀧澤信秋が出演。コロナ禍を経た「日本のホテルのいま」について語った。

瀧澤信秋

瀧澤信秋

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月12日(月)〜2月16日(金)のゲストはホテル評論家の瀧澤信秋。4日目は、2024年、おすすめのホテルについて—

黒木)ラグジュアリーホテルからカプセルホテルまで、ありとあらゆるホテルに宿泊されてきた瀧澤さんですが、2024年におすすめのホテルや旅館を教えていただけますか?

瀧澤)今回、テーマを2つ考えました。1つ目は「朝食がすごいホテル」です。もう1つは「泊まる以外にもさまざまな楽しみ方のできるビジネスホテル」です。

黒木)2つのテーマで。

瀧澤)まず「朝食がすごいホテル」の1軒目は、沖縄県那覇市に「ゆいレール」というモノレールがあり、そのゆいレール安里駅の近くにホテル「ヒューイットリゾート那覇」があります。ホテル自体も素晴らしいリゾートホテルなのですが、朝食に驚きました。沖縄ではハンバーガーが有名ですが、入り口から自分でハンバーガーをつくれるような具材が延々と並んでいるのです。何十種類ものチーズやソースが並んでいて、歩いて行くとハンバーガーが出来上がります。

黒木)自分で好きな具材を選べる。

瀧澤)その具材の数たるやとんでもない量で、大きなハンバーグからチキン、レタスなどあらゆるものが並んでいます。全部使っていたら、いっぱいになってつくり切れないので、2回目はパン抜きでお皿に具材だけ乗せて食べました。

※画像はイメージです

瀧澤)もう1軒は、「ホテルコンチェルト長崎」です。ここの朝食は、おそらくホテル評論家史上ナンバー1〜3くらいに入るのではないか、というものでした。朝食が御膳なのですが、原価率がすごいのです。よく街中のレストランなどでは原価率30%、つまり「1000円のものは300円くらい掛けていると美味しい」と言われます。通常は30%で、40%掛けていれば、安くて美味しいと言われています。

黒木)原価率40%であれば。

瀧澤)しかし、こちらの御膳は原価率120%です。「売るほど損をする」という朝食を出しています。「長崎御膳」という御膳があり、そのような朝食を出していると朝食単体では損をするのですが、リピーターが増え、結果として「稼働率が上がってお客様が増えていく」というデータがあるのです。

黒木)損して得取れということですね。

瀧澤)次に、ホテル単体で楽しめるホテルです。実は私はホテル評論家として今年(2024年)で10年目なのですが、「10年目に何かできないだろうか」と考えました。評論家なので、これまでは特定のホテルとの仕事はしてこなかったのですが、あるとき「瀧澤さんは評論家として文句ばかり言っているけれど、自分では何かできるのですか?」というような話がありました。それはごもっともだなと思い、「では瀧澤監修ルームをつくりましょう」ということになりました。

黒木)瀧澤監修ルーム。

瀧澤)JR山手線・高田馬場駅前に「ベッセルイン高田馬場駅前」という開業したばかりのホテルがあります。こちらの3階に2部屋、「BABAスイート」というスイートルームがあり、そこを監修しました。

黒木)スイートルームなのですね。

瀧澤)自分で言うのも何ですが、すごいです。ホテル評論家として、これまで「足りないな」と思っていたことをすべて入れました。私はサウナが大好きなので、もちろん部屋にサウナも入れました。ただ、サウナが好きな人は水風呂にも入りたいので、冷たい水風呂があるといいのですが、水を冷やす装置がとても高いのです。そこで、業務用の製氷機を部屋に置き、氷をすべてそこに入れるようにしました。さらに、サウナを出るとすぐバーベキューができるようにもしてあります。

黒木)「自分だったらこういう部屋がいいな」という部屋をつくったのですね。

瀧澤)最後に、ホテル「グランビュー高崎」は大人気の全国区ホテルを超えたホテルなので、ぜひ調べていただきたいです。

瀧澤信秋

瀧澤信秋

瀧澤信秋(たきざわ・のぶあき)/ホテル評論家

■法律事務所、会計事務所等の勤務を経て、経営コンサルタントの会社を設立。
■2000年ごろから各地への出張の折に利用したホテルの宿泊レポートをブログで執筆。
■2007年ごろからメディアへの取材対応をはじめ、「ホテル評論家」として活動。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底し、数多くのメディアに出演。
■評論対象はラグジュアリーホテル、デラックスホテルをはじめ、ビジネスホテル、簡易宿所(カプセルホテル・ゲストハウス・簡易宿泊所)、レジャーホテル(ラブホテル)など多業態に渡り、ホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題まで幅広い。