酒井重工業はオール電動の道路工事用ローラーを開発した。都市部の道路工事で多く使われる4トンサイズで、同サイズでのオール電動機は国内初という。2024年3月期中に都市部の工事などで実際に使用しつつ、引き続き操作性や車体構造、部品点数の適正化などの改良を図る方針だ。

電動ローラーはエンジン式ローラーに比べて、排ガスを出さない上に発生騒音も小さく、都市部での工事や夜間工事に向く。課題は稼働時間の短さと充電インフラで、酒井重工業が開発したオール電動機も稼働時間は現状2―3時間程度。ただ同社では、国内外の電池・充電技術の進展で解決できると見て、電動車特有の車体構造や制御技術の改良に重点を置く。

オール電動化により、油圧機器がなくなる分、部品点数が大幅に減り、車体コストを低減できる。一方、建機特有の大重量やパワーがモーターや電装品だけで出せるのかどうか、車体バランスや耐久性、操作上の問題点はないかなどを実現場で検証する。

同社は、より小型の手押し型ハンドガイドローラーでは、ホンダの着脱式可搬バッテリー搭載モデルを開発済み。ただ4トンクラスでは、サイズなどの問題で着脱式を採用できないため、電池性能の向上が不可欠となる。