NHKの人気ドキュメンタリー「プロジェクトX」がこの春18年ぶりに復活した。その名も「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」。

 MCは有馬嘉男と森花子。有馬は「ニュースウオッチ9」のキャスター退任後、NHKヨーロッパ総局副総局長として3年間パリに駐在。帰国後初の担当となる。

 中島みゆきの「地上の星」と田口トモロヲの語りは変わらず。

 ただ、主題歌は新しく録音し直された。<バブル崩壊以降のいわゆる「失われた時代」にも、無名の日本人たちによる挑戦と快挙のドラマがありました。そんな名もなき人々の物語に光を当ていまを生き抜くための知恵と勇気を届けます>とある。

 6日の記念すべき第1回のテーマは「東京スカイツリー 天空の大工事〜世界一の電波塔建設に挑む〜」。2012年に開業した東京のランドマーク・東京スカイツリー建設の舞台裏に迫った。

 雷や突風、完成間近に起きた東日本大震災。度重なる難題を乗り越えて世界一のタワーを完成させるまでの技術者たちの物語だ。

「中島みゆきの『地上の星』が流れた時、ワクワクしましたね。そこに田口トモロヲの語り。18年のブランクなどすっ飛んでしまうほど紛れもない『プロジェクトX』。競うように作業していた3組が花見で酒を酌み交わし、交流を広めたというエピソードなど飲みニケーションの典型。旧世代には技術的なことよりもこういうエピソードがグッときたのではないでしょうか」(TVウオッチャー)

 それにしても、なぜNHKは18年も前の番組を復活させたのか。考えてみれば朝ドラ「虎に翼」も大河「光る君へ」もどちらも女性が主人公。強い女性たちの物語になっている。朝ドラはともかく、大河でも男は居場所がなくなった。「新プロジェクトX」はそんな男たちにとっての救済番組ではないか。

「男たちの奮闘ぶりを見て元気を出してほしいという、女性優遇が甚だしいNHKのせめてものおわびではないかと思います」(同)

 中島みゆきの「地上の星」を聴いただけで明日への活力が出る人もいるに違いないし。