今年1月に長期休養から復帰した俳優の神田正輝(73)が、「ある種の“怖いものなしモード”に突入しつつあるのか」(制作会社関係者)と業界をざわつかせた。唯一のレギュラー番組であるテレビ朝日系「朝だ! 生です旅サラダ」(土曜午前8時)では、難解なシャレや独特なおやじギャグを快調に連発。不測の生放送トラブルが起きてもむしろ喜ぶばかりか、ついには元妻で歌手の松田聖子(62)に自ら突然言及、スタジオを騒然とさせるという「見ようによっては放送事故」(前出の制作会社関係者)みたいな状況まで仕掛けたのだ。

「昨年激やせが心配された神田さんは、11月18日放送回から今年1月20日まで、体のメンテナンスを理由に9週連続で『旅サラダ』を欠席。詳細を明かさずに心配されましたが、1月27日放送回で復活後、出演を続けています。試食コーナーでも肉などを毎回完食。体もふっくらしてきた印象ですが、何より最近面白いのは、生放送で何を言い出すか分からない、神田さんの自由すぎるトークですね」(女性週刊誌記者)

 例えば4月6日の「旅サラダ」では、神田は冒頭で「今年も残すところ……269日になりました」と挨拶し、爆笑を誘った。同13日放送回では、1年ぶりに出演したタレント三船美佳(41)を「げっそり太った」と妙な表現でいじったかと思えば、機材トラブルのため地方からの生中継をスマートホンで行うという事故が起きた際も、「生放送だからいいんだよ。トラブルは俺、大好きなんだよ」と大喜びするなど、吹っ切れている。

■「昔の奥さん、久留米」

 極めつきは冒頭と同じ4月27日の放送。福岡・久留米の旅リポートをスタジオで紹介している際、唐突に「昔の奥さん、久留米」と割り込んだのだ。同地出身の聖子に神田自ら生放送で触れるという衝撃展開に、レギュラーの松下奈緒(39)や勝俣州和(59)らがフォローに追われるなど、出演者らが苦笑してざわつく空気になった。

「神田は《変なとこ、ふっちゃったな》などと妙な雰囲気を笑い飛ばしたり、その後《黙ってます》を連発して盛り上げるなど、動じていませんでした。1985年に聖子さんと結婚し、97年に離婚しましたが、生番組で自ら元妻に触れることは異例ですね」(前出の女性週刊誌記者)

 聖子との間の愛娘・沙也加さんは、21年12月急逝。神田は大きなショックを受けた。同年1月、所属の石原プロが解散した後はフリーとなり、現在は「旅サラダ」以外の出演はほぼないような状態に。ただ、最近の様子を見る限り、心身ともに完全に「回復」している印象も強まっている。

「失言や世間体などを気にせず、思いついたことを生放送で言っちゃう……という神田さんならではのキャラが最近、注目なのです。悲劇や長期休養も経て、どこか達観したのか、無敵モード状態になったのかもしれません。ここにきてテレビ的に面白い存在になってきたと言えますね」(芸能ライターの吉崎まもる氏)

 一方で「無理に明るく振る舞っていなければいいのですが……」(前出の制作会社関係者)と心配する声も。神田が再ブレークし、無敵モードのキャラが「旅サラダ」以外でも見られるようになるのか。