《この先、一体いくらになるのか》《100年安心と言っていた年金制度が20年で破綻したことを考えると、これもどうなるか分からない》……。SNS上で疑心暗鬼の声が広がっているのが、18日、衆院特別委員会で可決した「子ども・子育て支援法」などの改正案だ。

 児童手当の拡充といった対策の財源確保のため、公的医療保険に上乗せして徴収する新たな支援金制度を創設する。こども家庭庁は支援金について、2028年度の1人当たりの平均負担額は月450円と試算。政府は26年度から支援金の徴収を始め、28年度にかけて段階的に増額する考え。被保険者1人当たりの月平均負担額(28年度)は、サラリーマンが入る被用者保険で800円。このうち公務員らの共済組合が950円、大企業の健康保険組合が850円、中小企業の協会けんぽが700円となる。75歳以上の後期高齢者医療制度は350円で、自営業者らが入る国民健康保険は1世帯当たり600円という。

■裏金政権は信用できない。また目的外に使うのではないか

 岸田文雄首相(66)が打ち出した「異次元の少子化対策」。国会質疑ではその財源が一つの焦点となっていたのだが、岸田首相が繰り返し強調していたのが「新たな国民負担なし」だったはずだ。

「少子化対策のこの財源としては、先ほど来申し上げておりますように、賃上げと歳出改革によって実質的な国民負担、この追加負担が生じないようにする、そのように申し上げています」(2023年12月8日の参院予算委員会)

「財源は、まずは徹底した歳出改革等で確保することを原則としてまいります」(24年1月31日の衆院本会議)

「支援金については、社会保険負担の軽減効果の範囲内で行うということで、実質的な負担にはつながらないと説明をさせていただいています」(24年2月26日の衆院予算委員会)

「歳出改革で財源を捻出する」と断言しながら、いざふたを開けてみればこの通り。しかも、歳出については「何を」「いつまで」「どの程度」改革するのか。「賃上げ」はどうなったのか。それらについて実現のめどはついているのか。全く分からないのだ。

 これでは世論の不信感が広がるのも無理はないだろう。自民党政権は以前も、「税と社会保障の一体改革」など称して消費税増税を強行。「増税分は全額、社会保障費に充てる」と言っていたにもかかわらず、実際は違っていたことが国会で問題視された。

《裏金政権は信用できない。また目的外に使うのではないか》

《自分の政治資金さえ管理できない人たち。何に使うか分からない。本当に嫌》

 消費税と同様、小さく生んで大きく育てるのは国の常套手段。不安は尽きない。