巨人の新人が2010年以来14年ぶりの快挙である。ドラフト1位・西舘勇陽(22=中大)、3位・佐々木俊輔(24=日立製作所)、4位・泉口友汰(24=NTT西日本)の新人3人が開幕一軍メンバーに入ったのだ。

 26日の「激励会」で山口オーナーも「新人選手では西舘くん、佐々木くん、泉口くんの3人の開幕一軍入りが決まりました。新人3人がメンバーに入るのは、そうそうあることではありません。楽しみな状態であります」と喜んでいた。

「東都7人衆」の一角だった1位の西舘はともかく、3位・佐々木、4位・泉口に加え、開幕一軍こそ逃したものの、キャンプで台頭した5位の左腕・又木の3選手には共通点がある。さる球界関係者がこう言った。

「この3人はプロの2球団程度しか調査書が届かなかった選手。つまり中央球界的には目立たなかった“掘り出し物”ということです。さらにキャンプ中に育成から支配下登録された2年目の有望株、内野手の中田歩に至っては、調査書を出したのは巨人だけだそうです。だから、巨人のスカウト部は鼻高々ですよ。かつて原監督の時代は『見る目がない』と揶揄されたこともあったが、3年前にスカウト部長が水野元投手コーチに代わって以来、機能し始めたと他球団は警戒を強めています」

 一方、新助っ人のルーグネッド・オドーア(30=パドレス)が「二軍拒否」で電撃退団が決まったことで、支配下の外国人選手はゼロとなった。

「阿部政権1年目とあって、球団から『いつも以上に優勝に貢献できる大物助っ人を探して欲しい』と国際部に要望があったそうです。それなのに、二軍調整を拒否するなんて、調査不足ではないかと問題視する声が挙がっている。『国際部の誰かがオドーア退団の責任を取らされるかもしれない』と戦々恐々です」(同前)

 スカウト部と国際部はともに選手を獲得する大事な部署だが、球団事務所での雰囲気は対照的なようだ。

 28日の開幕前日会見に臨んだ阿部慎之助監督(45)は「阪神との開幕3連戦の位置づけ? 今年を占うんじゃないかと、そういう大事なゲームになると思う。選手もワクワクしているし、自分自身もワクワクしている。全力でぶつかっていきたい」とキッパリ言った。

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 オドーアの電撃退団は球界内外に大きな衝撃を与えているが、意外にも巨人は「万々歳」だという。

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