プロ初登板ながら、強力打線を相手に5回2失点なら合格点だろう。

 17日のソフトバンク戦に先発したプロ3年目の右腕・福島蓮(20)のことだ。

 初回に3本の長短打と四球で2点を失ったものの、二回以降、許した安打は1本。150キロ超のストレートと変化球でテンポ良く打者を打ち取っていった。

 八戸西(青森)時代の2021年に21世紀枠でセンバツに出場し、その年の育成ドラフト1位で日本ハムに入団。190センチの長身から投げ下ろす速球が武器も、いかんせん昨年までは体重70キロと線が細かった。が、食事とトレーニングによって今年は76キロに。速球はコンスタントに150キロをマークするようになった。もともとタテに割れるカーブが良かったうえ、昨年から投げ始めたフォークを手の内に入れたことも大きかった。オープン戦で好投し、3月に支配下登録された。

 この福島に加えて、同じく21年育成3位の柳川大晟(20・九州国際大付)、同年7位の松浦慶斗(20・大阪桐蔭)、20年育成1位の松本遼大(21・花巻東)の4人は、かつて日本ハムの看板だった「ドラフトと育成」を担う面々だという。

「将来ローテーションに入るような素質ある高校生を、ドラフト下位や育成で獲得。以前のような“促成栽培”で故障者が続出した反省から、3年くらいは体づくり優先、決して無理はさせずにデビューを焦らない方針で育てているようです」(球団OB)

 FA補強に頼らず、ドラフトで高校生を獲得して育てる手法は、リーグ3連覇中のオリックスの専売特許になりつつあるものの、日本ハムがかつての看板を取り戻せるかどうかは福島らの活躍にかかっている。