第37期竜王戦6組ランキング戦決勝、藤本渚五段(18)対山下数毅三段(15)戦が21日、大阪市の関西将棋会館で始まった。プロ棋士養成機関「奨励会」に在籍する山下数毅(かずき)三段(15)は竜王戦6組で優勝すると、「プロ棋士」(フリークラスでの四段昇段)となる権利を得る。

山下は京都市在住。森信雄七段門下。14歳で三段になり、藤井聡太8冠に続く6人目の中学生棋士誕生かと騒がれた。23年度前期三段リーグは13勝5敗で中学生での昇段は逃したが、次点を獲得した。もう1度次点を取るか、新人王戦、もしくは竜王戦6組優勝なら次点相当とみなされ、次点2回でフリークラスで棋士となれる権利を得る。

6組優勝での次点1は、今期三段リーグの終了後に付与され、三段リーグで降段点(勝率2割5分以下)を取らないことも条件となる。

現役最年少棋士の藤本は23年に若手棋戦の加古川青流戦で初優勝。23年度の勝率では藤井と最後までデッドヒートを繰り広げ、51勝9敗で勝率8割5分の歴代4位となる好成績を残した。

注目の一戦は振り駒の結果、先手は山下に決まった。山下は飛車先の歩を突き、藤本は角道を開けた。

異例のルートでプロ棋士資格を得ることができるのか。注目の一戦が始まった。