◆体操 全日本個人総合選手権(14日、群馬・高崎アリーナ)

 パリ五輪代表の2次選考会を兼ねて男子決勝が行われ、2022年の世界選手権床運動で銅メダルに輝いた土井陵輔(セントラルスポーツ)=福岡市出身=は169・797点で5位だった。

 選考は男女ともに5人。男子は昨秋の世界選手権で個人総合2連覇の橋本大輝(セントラルスポーツ)が既に決定済み。今回の全日本選手権の得点を持ち点にして争う5月のNHK杯で上位2人を選出。残り2人はチーム貢献度を鑑みて選ぶ。

 土井は万全でない中でも上位を維持した。得意の床運動で2度のラインオーバー。14・200点にとどまり「自分の中で結構痛いミス」と悔やむが、3月の試技会で右足首の靱帯(じんたい)を痛めた影響があった。

 鉄棒でも落下するミスがあり「車輪をした時にすごく体の反応が良かった。アップの時から気づいていたけど、試合とアップは雰囲気も違って、うまくコントロールができずに落下してしまった」と振り返る。4位だった予選から一つ順位を落とした。ただ右足首の影響で十分な調整が積めていない中での5位には一定程度の手応えもある。

 世界選手権でメダリストとなっら一昨年から一転、昨年は同選手権の代表を逃すなど失意のシーズンを過ごした。団体で金メダルに輝いた仲間の姿はテレビで観戦していたが、競技者として素直な思いがふつふつとこみ上げた。「なんで自分が出ていないんだろう…」。あふれる感情はほどなく涙に変わりほおを伝ったという。同じ思いを味わうわけにはいかない。

 NHK杯での上位進出に向けて「自分の技自体はおかしくない。目標はパリなので。今は5位だけど、今回床運動とあん馬で取りこぼした部分が結構ある。NHK杯までの1カ月で修正して3位以内を狙っていきたい」と初の大舞台を目指して闘志を燃やした。

 

 ◆男子決勝上位

順 氏 名 (  所   属  )  得 点  

1橋本 大輝(セントラルスポーツ)176・164

2岡 慎之助(徳洲会)      172・264

3萱  和磨(セントラルスポーツ)171・596

4杉野 正尭(徳洲会)      170・498

5土井 陵輔(セントラルスポーツ)169・797

6田中 佑典(田中体操クラブ)  169・764

7松見 一希(徳洲会)      169・098

8三輪 哲平(セントラルスポーツ)169・063

9川上 翔平(徳洲会)      168・863

10長谷川 毅(徳洲会)      168・730