◆ソフトバンク3―4楽天(1日、みずほペイペイドーム

 ソフトバンクのリチャード内野手(24)が、プロ7年目で初の1試合3安打を記録した。

 今季初スタメンの起用に応えた。初回に右中間を破る二塁打を放つと、5回は左前打、7回には左翼線への二塁打で打点も上げた。「状態とかは気にせず同じ気持ちで打席に入った。(試合前は)4打席あると思ってたんで、12回振って帰ってこようという気持ちでいった」と、振り返った。

 ウエスタン・リーグでは打率1割8分2厘3本塁打と思うような結果が出ていなかった。それでも4月26日のウエスタン・阪神戦(タマスタ筑後)では、逆後方への1発も飛び出しており、タイミングの取り方に関して「上がってくるちょっと前くらいからこれで行こうかなっていうのが見つかって」と、良い感覚をつかんでいた。

 5年ほど前から自主トレをともにする山川の存在も大きい。1軍に合流した同30日から、試合前の練習でも一緒に汗を流しており、「(山川の)横でできるのは気持ちが整うというか、確認しながらできるし、打てないで帰ってきている山川さんの代わりに打ってやろうとか思うし。なんかいい方向にいってる」と心の支えにもなっている。

 それは山川も同じだ。合流初日、「リチャードいるのは完全に今日意識しています」と明かした。同日に迎えた今季初打席は二併殺に倒れるも、山川は「冗談抜きで内容良かった。初球からいいスイングでいけていたので」と絶賛していた。そして師匠の"選球眼"通り、1日の試合ではしっかりと結果を残した。

 これまで1軍でファンの期待になかなか応えられなかった右の大砲。ただ、今年はひと味違う。山川に加え、2軍監督時代から見守ってくれた小久保監督が指揮を執っている。「監督も小久保さんで、2軍でサードから見るのとあんまり変わんない。気持ちも一緒の感じでやれた」。二人の師匠が見守る1軍で今年こそ大輪の花を開花させる。(大橋昂平)